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馬券払戻金の第一審裁判について

投稿者:古御堂 弘苫小牧

|2013年07月08日(月)

「 税理士 古御堂 弘のコラム (第3回) 」

お約束どおり「ジャンボドリーム宝くじ」の抽籤結果を報告いたします。
「ヤッター、当たったー」と報告をしたかったのですが、「ドリームジャンボ」、「ドリーム10」のいずれも残念ながら300円しか当たらずに、夢が萎んでしまいました。
外れクジは事故除けのお守りにします。
 
ところで、馬券払戻金による所得税法違反に問われていた元会社員の裁判に対する判決が、5月23日大阪地裁で出ましたね。判決は、無申告だったとして所得税法違反について有罪(懲役2月・執行猶予2年)となりました。
一方、申告すべきだった所得額については、検察側の約28億8千万円という主張に対し、被告側の約1億4千万円という主張を全面的に認めました。
つまり、払戻金は「一時所得」ではなく「雑所得」に該当するから、当たり馬券以外の外れ馬券を含めた購入金額全体を必要経費として控除できるとしたわけです。結果的に脱税額は5億7千万円として起訴されたのに対して、5千200万円に減額されました。
それじゃあと皆さんが税務署へ更正の請求をしても税金を還付してはもらえませんよ。裁判所.jpg
本件の場合の馬券購入行為は娯楽としてではなく、利益を得るための資産運用の一種として行われたと認められる規模で、営利を目的とする継続的な行為であることから「雑所得」に当たると判断されたからです。

なお、元会社員は控訴しないとしていますが、同地裁民事部に課税処分の取り消しを求める訴訟を起こしていることから、今後の動向が注目されています。


 
岩見沢事務所 所長 古御堂 弘
 

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