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「婚外子も法定相続分1/2から同等に」            ~画期的な最高裁判決~

投稿者:古御堂 弘苫小牧

|2013年10月07日(月)

税理士 古御堂 弘のコラム (第6回) 

 去る9月4日、最高裁は「非嫡出子(婚外子)の遺産相続分を嫡出子の半分とする民法の規定について『法の下の平等』を定めた憲法14条に違反する」と判断を示し、遺産分割のやり直しを命じました。最高裁判事全員一致の画期的な判例です。

 平成7年に一度は合憲とした判断を違憲としたその理由として、「父母が婚姻の関係になかったという、子自らが選択や修正する余地のない事柄を理由に不利益を及ぼすことは許されず、子を個人として尊重し、その権利を保護すべきである、という考え方が確立されてきている」ことを挙げています。
 なお、違憲判断の効果については、「解決済みの相続に影響すれば、法的安定性を著しく害する」として確定している過去のケースには影響させないこととしました。

 しかし、相続税の総額は、民法の法定相続分に基づき計算されるため、法定相続人に非嫡出子がいる場合には相続税の総額が減額することもあります。a0002_001395.jpg
 申告済みの事案について過去に納めた税額が過大となる場合には、上記の遡及は別問題として「更正の請求」が認められるかどうか、国税庁は現在検討中で、決まり次第、国税庁のHP等で情報が公表される予定です。

 最近、親の遺産分割などを巡って子ども同士がトラブルになる「争族」が増えてきていると聞きますが、婚外子の法定相続分が同等になる今後は、さらに争いが増加するかも知れません。

円満な相続を実現するために、相続相談の窓口「相続手続支援センター札幌」に一度ご相談ください。

岩見沢事務所 所長 古御堂 弘

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