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知っていると得するマイホームを購入した時の税の恩典 住宅ローン控除Q&A

投稿者:湯浅 修平東京

|2017年05月17日(水)

平成28年分の所得税の確定申告が3月15日で、終わりました。yuasa.blog.20170410.jpg
今回は、住宅ローン控除について、いくつか質問を受けたことを、Q&Aにまとめてみました。

まず、その内容を確認してみましょう。

 住宅ローン控除とは、金融機関等から融資を受けて、自宅を新築または購入した場合(工事費用が100万円を超える増改築含む)、その自宅に居住した年から一定期間、その年の住宅ローン残高に一定の率を乗じた金額を、所得税から控除する規定です。

主な要件と控除額等は、下記の図表のとおりとなります。

<図表1> 主な要件

床面積要件 50㎡以上(登記簿上の面積)
自己居住用要件 床面積の1/2以上が、自己の居住の用に供されている
借入金要件 償還期間、賦払期間が10年以上(原則として金融機関からのもの)
居住開始要件 住宅の取得等をした日から6ヶ月以内に居住すること
所得要件 適用年分の合計所得金額が、3,000万円以内であること


<図表2> 住宅ローン控除 (平成26年4月から平成31年6月まで)

  一般住宅の場合 認定住宅の場合(注2)
借入限度額(注1)  4,000万円  5,000万円
控除率  1.0%  1.0%
控除期間  10年  10年
各年の控除限度額  40万円  50万円
最大控除額  400万円  500万円

 (注1) 消費税が8%の場合の図表です。
 (注2)  認定住宅とは、認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいいます。

それでは、ご質問を受けたことを、Q&Aで解説していきましょう。

Q1、 借入金 その1
私は、平成25年2月に住宅を購入し、平成25年分の所得税について住宅ローン控除の適用を受けました。その後平成28年3月に、住宅ローンの借り換えをしましたが、このローンについては、平成28年分以降に控除の適用はありますか?
 A1.  借り換えをした借入金が償還期間10年以上等の要件を満たすものであれば、引き続き住宅ローン控除の適用は、受けられます。

Q2借入金 その2
繰り上げ返済をした場合の住宅ローン控除の取扱について、教えてください。
 A2.繰り上げ返済後の償還期間が10年以上あれば、引き続き住宅ローン控除の適用を受けることができます。

Q3.床面積 その1
私は、平成29年に私の所有する土地に家屋を新築して、住まいにするつもりです。
床面積は、250㎡となる予定です。住宅ローン控除は、受けられますか?
 A3.他の要件を満たしていれば、適用を受けられます。下限(50㎡以上)の制限はありますが、上限の制限はありません。

Q4.床面積 その2
平成28年4月に戸建住宅を妻との共有により取得しました。持分の割合は、次の通りです。この場合、床面積の要件(50㎡以上)については、どのように解釈すればよいでしょうか? 他の要件はすべて満たしています。
  家屋全体の床面積  ・・・  90㎡  持分割合 ・・・ 私 5/9   妻 4/9
 A4.床面積の合計額が、50㎡以上ですので、ご夫妻のそれぞれが、適用を受けられます。

Q5.土地を先に購入した場合
来年以降に自宅を建築するために、平成29年1月にあらかじめその敷地を銀行からの借入金で購入しました。その借入金は、住宅ローン控除の適用はありますか?
 A5.平成29年については適用はありませんが、土地の借入金について家屋を目的とする抵当権が設定されていれば、2年以内に家屋を建築し、他の要件を満たせば、土地の部分の借入金残高についても、ローン控除の対象になります。

Q6.3,000万円特別控除との選択
私は、平成27年に、旧自宅Aの売却に先立って、新住宅Bを取得し、住宅ローン控除の適用を受けました。その後、平成28年3月に旧自宅Aが売却できました。この場合、平成27年分として申告した住宅ローン控除の継続はできますか?また、平成28年分の旧自宅の売却についての申告は、居住用の財産の3,000万円の特別控除の適用を受けることができますか?
 A6.住宅ローン控除と3,000万円の特別控除は、どちらか選択適用です。旧自宅の売却で、どちらを選択したほうがよいか?有利不利を専門家に相談してください。3,000万円の特別控除を選択したほうが有利な場合、平成27年分の住宅ローン控除を自ら否認して、平成28年分の申告について、3,000万円の特別控除の適用を受けることができます。

 以上、代表的なご相談例をまとめてみました。

マイホームの新築、購入、あるいは売却については、税制の恩典があります。
事前に、税理士に相談されるといいでしょう。
知っているのと、知らないのでは、大きな差が生まれることがあります。

東京事務所 所長 税理士 湯浅修平

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