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同族会社の行為計算の否認

投稿者:柏樹 正一札幌

|2017年07月10日(月)

                           税理士 柏樹 正一のコラム(第19回)

 同族会社とは、株主等の3人以下及びこれらと特殊関係にある個人や法人が所有する株式の数又は出資金の額が全体の50%を超える会社をいい、日本の会社(約260万社)のうち約96%は同族会社です。

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 今回は、初耳の方も多いと思いますが、「同族会社の行為計算の否認」について紹介します。

 「同族会社の行為計算の否認」とは、同族会社の行為又は計算において、これを容認した場合に、税負担を不当に減少させる結果となる場合には、その行為又は計算にかかわらず、税務署長の定めるところにより、課税標準又は税額を計算することができるというもので、所得税法、法人税法、相続税法にそれぞれ規定されています。

 この規定は、納税者が選択した行為計算が実在し、私法上は有効なものであるにもかかわらず、租税回避の防止という見地から行為又は計算を否認し、課税庁がフィクションした通常あるべき姿を想定して、この想定された別の法律関係に税法を適用するものであるといわれています。

 そして、「税負担を不当に減少させる」という規定の判断基準について、判例では、①同族会社であるがゆえに容易になし得ること、②経済人の行為として不合理・不自然であることという解釈が示されています。

 「同族会社の行為計算の否認」は、租税回避の防止の見地から、異常な取引について私法上の行為を否認し課税するもので、伝家の宝刀ともいわれていますが、納税者サイドからすると、究極的には同族会社との取引には否認のリスクを負う可能性が残りますので、取引の合理性に注意する必要があるでしょう。

                         札幌事務所 副所長 税理士 柏樹 正一

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