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所得拡大促進税制の見直し・延長

投稿者:柏樹 正一倶知安

|2021年07月26日(月)

税理士 柏樹 正一のコラム(第51回)

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 青色申告の中小企業者が従業員への給与等を前年度より増加させ、一定の要件を満たした場合、その増加額の一部を税額控除(法人税額の20%が上限)できる所得拡大促進税制について、新型コロナウイルスの影響による雇用環境の悪化に配慮し、賃上げだけではなく、雇用を増加させる取組も評価する観点から、適用要件を見直した上で、令和3年4月以降開始する事業年度から2年間(個人事業者は令和4年分、5年分)延長されました。

 適用要件の見直しについて、従来は、①前期と当期の2期にわたり給与等の支給を受けた継続雇用者給与等支給額が前年度比1.5%以上増加し、かつ、➁企業全体の雇用者給与(雇用者給与等支給額)が前年度以上増加した場合には、雇用者給与等支給額の増加額の15%を税額控除できるとされていたものが、①の継続雇用者要件が廃止され、➁の雇用者給与等支給額が前年度比で1.5%以上増加していれば本税制を適用できるよう緩和され、事務手続が軽減・簡素化されました。

 また、継続雇用者給与等支給額が前年度比2.5%以上増加し、かつ、教育訓練費が10%以上増加している、又は中小企業等経営強化法に基づく経営力計画向上の認定を受け経営力向上の証明がされた場合には、雇用者給与等支給額の増加額の25%を税額控除できる上乗要件についても、継続雇用者要件が廃止され、雇用者給与等支給額が前年度比で2.5%以上増加していれば適用できるよう見直されました。

 なお、雇用者給与等支給額とは、各事業年度の損金の額に算入される国内雇用者に対する給与等の支給額をいい、国内雇用者とは、法人の従業員のうち法人の役員及びその役員の親族等特殊関係者は除かれますので注意が必要です。

 

倶知安事務所 所長 税理士 柏樹 正一

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