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措置法26条(医師の概算経費による所得計算)とコロナ感染症関連補助金

投稿者:本田 竜史札幌

|2021年11月24日(水)

 早いもので令和3年度も残り2か月を切りました。

 コロナ感染症の影響で減少していた診療所の外来患者も、ここにきて戻り始めているのに加え、遅れていたコロナ関連の補助金も入金になり、コロナ流行前の所得水準に戻ってきている医院も多いのではないでしょうか?

 そろそろ期末に向けて所得の着地を具体的に意識する時期ですが、措置法26条(医師の概算経費による所得計算)を適用している事業所で気にすべきは、コロナ感染症関連の補助金は措置法26条適用判定の計算上、総収入の額に含まれるか否か?というところです。

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 これら補助金収入が措置法26条の計算上、総収入の額に含まれることで、年間の医業総収入が7,000万円を超えてしまい、措置法26条の適用から外れてしまっては、これはこれで大変です。

実際はどのような取扱いになるか考案してみました。

 租税特別措置法第67条⦅社会保険診療報酬の所得の計算の特例⦆の規定を受け、同法施行令第39条の24の3の第2項において「医療法人の営む医業又は歯科医業に係る総収入金額は、経常的に生ずるもの以外の収益の額とされるべきものを除く」とされています。

 また、法人税関係の措置法通達逐条解説、「総収入金額の範囲」の解説の参考においても、個人の医師におけるは事業所得に係る総収入金額も同様に判断すると示されており、また、所得税青色決算書付表(医師及び歯科医師用)においても、医師及び歯科医師に係る収入金額には、雑収入は含まれず、社会保険診療報酬と自由診療の収入等の合計と示されています。

 これらの事からコロナ関連の補助金は、租税特別措置法26条⦅社会保険診療報酬の所得計算の特例⦆に規定する「個人が営む医業又は歯科医業から生ずる事業所得に係る総収入金額」には含まれない(文理解釈して、医業から生ずる事業所得に係る総収入金額に該当しない)と判断できます。

 年間を通すと数十~数百万円にもなる補助金ですので、慎重な判断が求められるところだと思います。

 

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