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<第45回>「面倒くさい」を売る

|2018年10月26日(金)

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日常生活や仕事のスタイルが
大きく変わる
これからの時代に
個性ゆたかな活躍を。
 
 わくわくするような
 ビジネスモデルを
 考えるメールマガジン
 
 
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「便利」の値段は安く、
「不便」の値段は高い。
 
ある意味
そんな気がしています。
 
都会に住んでいると
ふつうは
 
* 電気料金
* ガス料金
* 水道料金
 
を毎月払うわけですが、
とくに「高い」わけでは
ありません。
 
ところが
山でキャンプをするために
出かけるとしたら
 
バッテリーや
ガスボンベや
ミネラルウォーターなどを
持参するのでしょうが、
 
おそらく都会で過ごすよりも
費用がかかっているはず。
 
そもそもキャンプなんて、
する必要がありません。
 
自宅にいるほうが
快適に眠れるし
 
おいしいものも
食べられます。
 
わざわざ使いにくい
キャンプ用品を使って
炊飯するとか
 
テントを張るとか
しなくてすみます。
 
ですが、
キャンプをする人たちには
その面倒くささが
価値になっています。
 
その面倒くささに
お金を払っています。
 
それもけっこうな金額を。
 
 ▽
 
私たちはついつい
 
「面倒くささを解決する」
 
ことで
ビジネスモデルを
考えようとしがちですが、
 
「面倒くささを
 楽しみに変える」
 
という発想も、
片や、あるのでしょうね。
 
たとえば、農業体験。
 
水田や畑の草むしりは
生産者にとっては
単調だし疲れるし、
 
面倒なことこのうえない
のでしょうが、
 
農業体験をしにきた
ビジターにとっては
楽しみになります。
 
たとえば
メールなどの日常の
コミュニケーション。
 
現代人は
大量のメールを受け取るので
 
いちいち返事をするのは
なかなか面倒です。
 
ところが、
LINEのようなサービスは
 
この
コミュニケーションという
面倒くささを
 
スタンプによって
楽しさに変えています。
 
その結果、
LINEのスタンプは
年間何百億円と
売れているわけです。 
 
 
<あとがき>
 
「新規事業の成功確率は
 ものすごく低い」
 
とよく言われますが、
いっぽうで
 
「新規事業の成功確率は
 そんなに低くない」
 
という意見もあります。
 
どちらが
正しいのでしょうか。
 
じつは、
どちらも正しいと言えます。
 
新規事業の成功確率は
ものすごく低いのですが、
でも、
そんなに低くないのです。
 
矛盾しているように
聞こえますね。
 
どういうことでしょうか?
 
 ▽
 
よく
「新規事業の成功確率は
 1パーセントに満たない」
と言われます。
 
いわゆる
「千三つ(センミツ)」
というやつです。
 
実際、とあるVC
(ベンチャーキャピタル)
に話を聞いてみたところ、
多くのベンチャー企業と
面談をしたなかで、
 
* 投資を検討したケース
 →3パーセント
 
* 投資を実行したケース
 →1パーセント
 
* 無事にEXIT(※)
 したケース
 →0.3パーセント
 
ということでした。
 
「千三つ」というのは
あながち的外れではない
ということですね。
 
つまり、
「新規事業の成功確率は
 ものすごく低い」
ということです。
 
(※)EXIT:
 ベンチャーキャピタルが
 投資先の株式を
 無事に売却し、
 利益を手にすること
 (=手仕舞いすること)
 
 ▽
 
しかし、
それほど低い確率なのに
なぜ新規事業は
なくならないのか。
 
なぜ新規事業に
チャレンジする人が
消えてしまわないのか。
 
その理由は、
 
 成功したときの
 リターンが
 とても大きいから
 
 すなわち
 
 「確率」は低くても
 「期待値」は低くないから
 
です。
 
経済全体の平均成長率が
年率4パーセント
だと仮定した場合、
 
あなたの新規事業が
1年後に成功したとすると、
新規事業に投下した
あなたの資金や努力は
理論上のことですけど、
なんと679倍になって
返ってきます。
 
理論上の話ですが
新規事業に
300回失敗したとしても
301回目に成功すれば
元が取れる勘定になります。
 
だから新規事業に
チャレンジする人が
なくならないのです。
 
 ▽
 
「千三つ」とされる
新規事業の世界ですが、
実際のところこの数字を
低いと評するかどうかは
考え方しだいとも言えます。
 
たとえば、この
「千三つ」という確率は、
宅配ピザが配布している
チラシの反応率よりも、
じつは高い。
 
カード会社が送っている
入会案内のDMよりも
確率が高いのです。
 
つまり、見方によっては
「千三つ」は
さほど悪い数字では
ないのかもしれません。
 
そしてもう1つ。
 
新規事業の最初のダッシュ
(ロケットスタート)が
うまくいかなかったとしても
 
そこで素早く起業当初の
ビジネスモデルを修正して
何度か試行錯誤をすれば
失敗確率を
下げることができます。
 
これをバスケットボールの
「ピボット」にちなんで
「ピボット経営」
と言います。
 
ビジネスモデルにおける
ピボットは、
行き当たりばったりに
行うのではなく
 
 ビジネスモデルを
 洗練させる
 
 ビジネスモデルの原石を
 美しく磨きあげる
 
といった感覚で行うのが
良いですね。
 
 ▽
 
以上、
 
「新規事業の成功確率は
 ものすごく低い」
 
「新規事業の成功確率は
 そんなに低くない」
 
どちらの主張も
間違いではない、
という話でした。
 
 
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■発行者情報
 
 日本ビジネスモデル
 鑑定士協会
 
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