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事業承継のすすめ

第10回 代表取締役不在を回避

|2015年11月21日(土)

~ 中継ぎ経営者への配慮必要 ~

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► 中継ぎ事業承継とは
 経営者の突然の病気や死により、代表取締役不在の危機を回避するために、
すぐに後継者を選ばなければならないこともあります。
 その時に親族の後継者候補がいても、未熟なためにすぐに後継者が決まらない
場合があります。このような時、将来の後継者が決定するまでの期間を中継ぎとして、従業員などへ一時的に承継する場合があります。
 
 オーナー一族にとって、中継ぎの経営者には、親族後継者が成長するまでの間、企業を守り成長させてほしいと願っていると思います。一方で、中継ぎの経営者が「親族後継者が育ったらその座を追われてしまう」と感じたら、経営にも差し障りがでます。
 それを防ぐためには、親族後継者が成長し、承継した後も役員としてサポートをしてもらえるようにします。もちろん報酬の保証も必要ですから、「配当優先の種類株式」を持たせるなどの工夫が必要です。
 
 中継ぎの期間もある程度、決めておくことも必要でしょう。中途半端に任せていたのでは、中継ぎ経営者に対しても失礼です。現経営者と中継ぎとなる経営者候補、本来の後継者候補と良く話し合い、綿密に承継のスケジュールを作成しましょう。
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 また、中継ぎ経営者へ株式譲渡を行い、過半数以上を持たせてしまうと、本来後継者となる予定だった親族後継者が、取締役選任の株主総会で選任されないリスクがあります。そのため一般的に、中継ぎ経営者に株式譲渡は行いません。税金の面からも株式譲渡しない方が、節税できます。
 ただし、金融機関等からの信用問題がありますので、筆頭株主等が経営に関与する必要があるでしょう。
 
►M&Aによる承継
 M&Aとは、Mergers(合併)&Acquisions(買収)で、会社そのものを売買することで、最近では聞き慣れたフレーズになってきていると思います。また、会社規模も大企業だけの話ではなく、中小企業にも浸透しつつあります。
 
 M&Aにより、信頼できる買い手企業が見つかれば、事業は存続し、今まで一緒に働いてきてくれた従業員の雇用を維持することができます。さらに、売り手の経営者にとっては、まとまった資金が入ることにより、第二の人生を謳歌することもできます。
 
 経営者がM&Aを検討する主な理由は次が挙げられます。
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  ①後継者がいない
  ②将来が不安
  ③ハッピーリタイヤしたい
  ④会社存続のため
 
 今までは、取引先や同業者が候補としては多いでしょう。
 私の会計事務所でも、平成19年に同業者の急死により、ご遺族からM&Aの依頼があり買収したことがあります。最近では、M&A専門仲介会社や金融機関から情報を得て、戦略的に行っていることが多いようです。それは、購入する側にも次のメリットがあるからです。
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  ①シェアの拡大
  ②技術レベルの向上
  ③グループ力の強化
  ④新規事業への進出
  ⑤権利・許可・認可の取得
 
 M&Aを行い、2つの企業が一緒になることで、相乗効果を期待します。しかし、購入希望の企業が現れても、経営に対するビジョンや社風の差があり、従業員の処遇にも格差があるようでは、マイナスとなることもあります。主な注意点は次の通りです。
 
  ①従業員の雇用維持と処遇維持
  ②株式買収価格
  ③秘密保持
  ④きめ細やかな引き継ぎを行う
 
 買い手企業は、弁護士や税理士・会計士などの専門家に依頼して、売り手企業の内容を精査(デューディリジェンス・買収監査)します。有利な条件で進めたいのであれば、企業を高収益体質に磨き上げておくことが重要です。
 

info02 第11回 は
  12月4日(金) 更新予定です。 どうぞお楽しみに!!

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