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事業承継のすすめ

第7回 社長交代時期を明確化

|2015年11月18日(水)

~ “株と事業資産” 円滑に移転 ~
 

►気付きと成功ポイント
 経営者が、将来の自社経営のあるべき姿を真剣に考えれば、「経営理念」を含めた事業承継の必要性に気付きます。的確な方法や手段を選択するため、現状を分析、課題を抽出、その解決に向けて方向性と打ち手を決めます。
 成功のポイントは、「社長」の地位移転の時期を明確にし、後継者の経営力を引き上げ、「自社株式と事業用資産」を後継者に円滑に移転させることです。
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 事業承継計画書を作成する上での主な項目は、会社・現経営者・後継経営者の
3つです。社長の交代、自社株式や事業用資産の移転、後継経営者教育などについて、いつ、誰が、何を行うかを決め、スケジュール化します。
 このアクションプランが具体的である程、成功の確率が高くなります。後悔しないように、早期に計画を立案し必ず実行しましょう。
 
►計画見直しと進捗管理
 企業を取り巻く経営環境は常に激変します。自社の株価や内部事情、経営者、後継者にも変化が生じます。自社株式の評価額の変動によっては、移転の時期や対策の変更が必要になります。
 計画は、最低年1回は株式評価とともに進捗管理し、実行可能性の観点から、その時の状況に合わせた全体最適の内容にリニューアルする必要があります。
 
次の事例をご覧下さい。

【基本方針】
 ①社長Aから長男Bへ承継する。
 ②5年目に社長交代(代表権をBに譲り、Aは会長に就任)10年目に引退。
 ③長男Bに総務・経理(工事部は経験済)を担当させ、社内のローテーションで
  経営実務を体験させる。外部の後継者教育講座も受講し経営力を磨く。
 ④Aの財産内容がほぼ固まったところで、公正証書遺言を作成する。
 
【事業計画】
 売  上  高:現在から4年目まで各年度10億円。5年目から9年目まで各年度13億円。
        10年目は15億円。
 経常利益:現在から4年目まで各年度5,000万円。5年目から9年目まで各年度7,000万円。
        10年目は9,000万円。
 
【会社の定款・株式・その他】
 1年目に相続人に対する売渡請求制度を導入。2年目にAの弟より金庫株を取得。
 3年目に、元役員Cから金庫株を取得。5年目Aに退職金1億円を支給。
 
第7回 表1.gif
 
 
【現経営者 父A】
 現在の60歳から64歳まで社長。65歳から67歳まで会長。68歳から69歳まで相談役。
 70歳で引退。
 
 ◎関係者の理解:現在、家族会議中。1年目に社内へ計画を発表。
          3年目に取引先、金融機関に告知。
 ◎株式・財産の分配:Aの持株は現在70%。毎年3%を暦年贈与。4年目に持株58%。
           5年目に相続時精算課税制度で48%を贈与。持株を10%まで減らす。
           この時点で公正証書遺言を作成。
 
【後継者 長男B】
 現在33歳、取締役。34歳から35歳まで常務。36歳から37歳まで専務。
 38歳(5年目)より社長就任。
 
 ◎社内教育:33歳で総務・経理部長。34歳で営業部長を兼務。
 ◎社外教育:33歳から継続的に対外研修受講。34歳で経営革新塾。
 ◎持株割合:現在0株、毎年3%、4年目に12%を暦年課税制度(贈与)で受贈。
        5年目に相続時精算課税制度(贈与)で48%受贈。持分60%に。
 
第7回 表2.gif
 
 
【補足】
 ①遺留分に配慮した遺言書を作成。
 (妻は自宅不動産と預貯金、長男Bには自社株式、次男・長女へは預貯金をそれぞれ配分)
 ②計画の実行・進捗管理は、専門家と十分協議しながら進めましょう。
 
 
 この計画では、10年で後継者へ完全に承継するようにしています。
「事業承継計画表」の完成型がこちらです。
 
 
 作成にあたって実際の年齢を記入していくと、具体的に何をどうすればいいのか気付くことができます。そして、意外と時間がないことにも気が付きます。
 

info02 第8回 親族以外の後継者選び
  明日 11月19日(木) 更新予定です。 どうぞお楽しみに!!

 
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