中野会計事務所トップページ >> 事業承継のすすめ >> 第13回 "廃業"計画的な準備を

事業承継のすすめ

第13回 "廃業"計画的な準備を

|2016年01月15日(金)

~将来生活設計に天と地の差~

►経営者の決断teoria-na001.gif
 親族や従業員などから後継者が見つからず、M&Aの可能性も見込めない場合、「廃業・解散」という最終手段を決断しなければならないこともあるでしょう。

 また、後継者がいても売上の減少や赤字から、廃業せざるを得ない場合もあるで
しょう。廃業や解散は、経営者が「やめた!」と言えばできることではありません。

裁判所.jpg

 例えば、債務超過の企業が廃業する場合は、裁判所の管理下で企業の清算がされます。この特別清算を回避するために、経営者個人の資産を会社へ貸し付けたり、資本金を増やしたりします。廃業したくても債務者への支払ができなければ難しいということです。

 企業が廃業(解散)するときに、全ての債務を清算しても多額の財産が残る資産超過の場合は、会社自体に課税されます。また、株主の分配に対しては所得税が課税されます。資本金の額を大きく超えている企業の廃業は、税金対策が必要となります。

 税金対策の方法は、企業の持つ資産や株主などの状況により違うので、どの手段が一番節税に
つながるかは、比較検討しなければなりません。
 税金対策の方法の一部として、次が挙げられます。
   ①残余財産を株主へ払い戻しするteoria-k004.gif
   ②経営者(株主)に役員退職金を支払う
   ③会社の株式を売却する
   ④黒字の事業部門を売却する

廃業を決断する理由
 今の時点で廃業・解散すれば、清算しても多少の手残りがあり、年金と合わせれば何とか
生活できる。このような状況の経営者も少なくないでしょう。
 このときに、次のどちらを選択するかで、将来の生活設計は、天と地ほど変わってきます。
   ①廃業を決断したら、計画的に準備する
   ②やれるところまでやって、だめだったら廃業する

teoria-h011.png

 廃業するときは、次のリスクヘッジが必要です。
   ①従業員の再就職先を確保
   ②顧客への影響
   ③取引先、金融機関への影響
   ④廃業後の生活資金を確保

 自分の都合で廃業することになるのです。経営者の責任として全ての関係先に迷惑をかけないように対応することが最後の務めでしょう。また、債務超過であれば資金調達について、資産超過であれば税金対策が必要です。したがって、廃業・解散する場合でも計画的な準備が必要となります。
 

 「廃業は決めたけどもう少しだけ」「できるところまで頑張ろう」という場合は、最初になぜ廃業を決断したのか、もう一度自覚してください。売上の減少や赤字続きが原因であれば、そのまま続けていても債務超過に陥り、経営者個人の資産まで失うこともあります。

計画倒産は犯罪
 あらかじめ巧妙に個人資産を配偶者などに移したり、隠したりした状態で倒産させることを計画倒産といいます。
 廃業は後継者がいない場合や、経営者の年齢・健康問題など、理由に関わらず経営を辞めることです。取り込み詐欺など、悪意による計画倒産は、犯罪になります。計画倒産の被害者は、諦めることも多々あります。teoria-c025.pngだからといって、計画倒産に積極的に取り組むことは
よくありません。民事裁判で、損害賠償の請求をされることもあります。
 財産を隠匿して破産宣告をしても、破産手続きの中で裁判所の監督の下、
破産管財人が隠匿財産の調査や取り戻しを行うこともあります。

 倒産に陥る状況になる前に 
   ①前年同期の売上比較
   ②経常利益
   ③資産状況

 などの項目を確認して、廃業計画を立てましょう。


info02 第14回
 2月19日(金)更新予定です。どうぞお楽しみに!!

  • Clip to Evernote
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

PAGETOP