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事業承継のすすめ

第16回 経営者は自社環境把握

|2016年03月18日(金)

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  ~ 後継者の能力や適性判断も ~

   今回は「経営者自身」と「後継者候補」の現状把握について説明します。


►会社の現状把握
 引退後の生活維持は、大切な問題ですね。
どんな生活をしたいのかを決めるに当たり、個人資産は大きく左右します。経営者自身が現状を把握する主な目的は次になります。
  ①事業承継で得た自社株式などの売却収入で、退職後の生活が維持できるかどうか
  ②会社へ提供している個人資産(不動産・貸付金)の清算に伴う手続きや、必要金額の把握teoria-i002.png
  ③相続税額の試算

 主なポイントは次の3つです。
  1.保有自社株式の状況
   創業経営者の場合は、名義株主の現状把握も含め行います。親から引き継いだ
   経営者の場合は、親兄弟、第三者などの株主の現状把握も同時に行います。

  2.個人名義の不動産とその他の相続財産の状況
   事業に必要な個人資産は、事業承継のときに買い取ってもらう場合や、貸し付ける
   方法があります。
   親族内後継者の場合は、相続で財産を移転する方法が多くとられています。
   この場合も後継者と、他の相続人へのバランスが「争族」にならない秘訣です。
   相続は、配偶者の老後の生活や、二次相続も視野に入れることがポイントです。

  3.個人の負債や個人保証などの現状teoria-n012.png
   相続が起きてからでは揉め事になる可能性もあります。
   業績が低迷する事業で、経営者が保証人となって借入している債務が、
   個人資産を超えている場合に事業承継の準備は必須となります。
   もし準備を怠れば、経営の存続が危ぶまれるばかりではなく、
   相続人に多額の債務を残すことにもなりかねません。

►会社の引き継ぎ
 同じ会社を引き継いでも、創業者と後継者には大きな経営環境の違いがあります。
 まず、創業者は会社を生み育ててきました。誰よりも事業の長所や短所を知り尽くし扱い方も熟知しています。

 一方後継者は、育った会社を引き継ぐわけですから創業者のようにはいきません。
teoria-a028.png  良くも悪くも事業に対する情熱や、経営に対する意識も違うでしょう。
  身内にしても第三者の後継者にしても、創業者とは全く別の人格です。
  強制することはできません。
  しかし、若い発想力やバイタリティーが新しい商品や発想を生み、さらに事業を
  発展させることが期待できます。

 大切なことは、創業者から全く同じ事業を引き継いでも「それを取り巻く環境は違う」ということを認識することです。
 これをふまえて、後継者候補の現状把握を行います。

 まずは、後継者候補を選定し、その人物が後継者として適性かどうかを検討します。後継者に足りない能力を把握して、その補佐をしてくれる良き伴侶を見つけられればベストです。

 ポイントは次の3つです。
  1.親族内の後継者候補
   後継者の年齢や能力により、中継ぎ的事業承継の方法も検討します。
   法定相続人である兄弟が多い場合は、分社化を検討することも一つの方法です。

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  2.社員や外部からの後継者候補
   従業員や取引先などに後継者となり得る人物がいるかどうか、
   広い範囲で検討します。

  3.後継者候補の能力・適性、年齢、経歴、経営に対する意欲等
   統率力や意思疎通能力、柔軟性や忍耐力、行動力、視野の広さなどが
   備わっているか検討します。

次回は、「相続発生時に予想される問題点」の具体的内容を説明します。


info02 第17回
 4月1日(金)更新予定です。 どうぞお楽しみに!

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