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事業承継のすすめ

第18回 連帯保証は「時限爆弾」

|2016年04月15日(金)

~ “債務超過”相続放棄が定石 ~

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金融機関の対応
  経営者の連帯保証は承継しなければならない?  中小企業が金融機関から融資を受ける場合、必ずといっていいほど経営者に個人保証を求めます。そのため、多くの経営者は会社の連帯保証人となっています。

 後継者が子などの法定相続人の場合、金融機関も連帯保証人を後継者へ引き継ぐことを認めてくれることも多いですが、そう簡単には抜いてくれません。

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 しかし、子が後継者であっても連帯保証人を引き継ぐことはしたくありません。まして、従業員など第三者が後継者の場合は、金融機関も後継者も連帯保証人の名義変更に応じる可能性は低いと考えるべきです。経営も右肩上がりの順調ならばしっかりとした経営計画の下に債務も減少し、キャッシュフローとのバランスにより、金融機関や後継者と話し合った上で、連帯保証から抜けることができる可能性があります。

 しかし、資金繰りに苦労している環境では事業承継後も会長職などで会社に残り、連帯保証債務が継続するように努力する必要があります。経営者の責任として、事業承継の計画とともに会社再生を進めてください。

tokei.jpg発生のタイミング
 連帯保証債務は会社が返済し続けている限り、連帯保証人には債務が発生しません。
経営者が亡くなっても、後継者が債務返済をきっちりと続けている限り、マイナスの
相続財産とはなりません。したがって、相続税の債務控除の対象にもなりません。

 一方で、経営者が亡くなり後継者もいなく廃業を選択する場合は、会社は債務返済ができなくなります。この場合は、経営者のマイナスの相続財産として債務控除の対象となります。
連帯保証債務は、青色吐息でも会社が返済している限り、連帯保証人の直接債務にはならず、返済が滞ったときに発生する、いわば「時限爆弾」のようなものなのです。baku.jpg

►争族の引き金に
 借金の債務や、連帯保証債務は争族を引き起こす可能性があります。
 知らずに単純相続してしまうと、不動産や金融資産などのプラスの財産とともに、借金などマイナスの財産も相続してしまうことになります。もしプラスの財産よりもマイナスの財産が多い場合は、相続放棄の手続きが定石です。多額の債務があり、事業承継が終わっていない場合は、廃業して相続放棄する選択肢が多いと思います。

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 しかし、何らかの理由で廃業できない場合は、単純承認もしくは限定承認で
 相続を行うことになりますので、経営権と資産とともに債務も相続することに
 なります。
 

 事業承継が終わっている場合は、既に金融機関からの要求で、後継者が連帯保証人として引き続き入れられているか、もしくは入っていなくてもすぐさま債務者の金融機関から、変わりとなる連帯保証人を要求されるはずです。

 連帯保証債務で怖いのは、経営者が取引先同士で互いに連帯保証をしている場合です。teoria-a023.gif
他社の連帯保証をしていることを知らずに相続人が単純相続してしまうと、その保証していた企業が債務返済を滞るようになったとき、突然連帯保証債務を金融機関から突き付けられることになります。
 

 債務のある会社を承継した場合、一度単純相続してしまった以上、逃れることは難しいでしょう。


info02 第19回
 5月20日(金)更新予定です。 どうぞお楽しみに!!

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