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事業承継のすすめ

第19回 相続放棄と死亡保険金

|2016年05月20日(金)

~ 受け取れるが課税の対象に ~

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►死亡保険金の受け取り
 相続放棄の手続きは、相続が発生した日から3ヶ月以内に家庭裁判所に届け出をしなければなりません。相続放棄したら「死亡保険金」はもらえるのか。
 死亡保険金は、契約者と被保険者が同一人(経営者)の場合に、保険金受取人(妻)の固有財産となります。したがって、経営者の財産ではありませんので、相続放棄しても死亡保険金を受け取ることができます。

 しかし、死亡保険金は税務上「みなし相続財産」として相続税の課税対象となります。
ここで注意したいのが、相続放棄をすると相続人とみなされなくなり、生命保険金の非課税金額
teoria-k005.gif (500万円)の適用を受けることができなくなります。

 ただし、非課税の適用を受けることができないのは、相続放棄をした人だけです。
非課税金額を計算するときの法定相続人の人数には、相続放棄をした人も含めることができます。

      ►相続放棄した借金は?
teoria-a013.gif借金だけ相続しない方法はないかと考えそうですが、そんな都合のいい方法は
ありません。しかし、民法では3つの選択肢を認めています。
   ①単純承認
   ②限定承認
   ③相続放棄

相続放棄した場合に借金はどうなるか・・・ 

rouhuhu.jpg 例えば、法定相続人が妻1人と子1人の2名だとします。
経営者である夫には多額の借金があったため、2人とも相続放棄をした場合に
次の相続人である経営者の両親が健在であれば、両親が借金を相続することに
なります。
 年老いた両親が知らないうちに借金を相続していたことになりかねません。
相続放棄する時は、相続人となり得る全員で話し合い、決めることをおすすめします。


相続時精算課税制度
 子を後継者とし事業用資産を引き継ぐ方法としては、生前贈与や相続時精算課税制度の活用は有効的です。また、事業承継にかかわらず、住まいの取得などで生前贈与や相続時精算課税制度の利用が増えています。 次のような事例を考えてみて下さい。

 経営者Aさんの会社は、開業から業績が伸びていましたが、後継者として期待していた
1人息子Bは全く別の業種へと進み後継者がいませんでした。zyutaku.jpg
Aさんは息子Bが結婚する時に、住宅を購入する資金として「相続時精算課税制度」
を活用し財産を贈与しました。
saigai.png その後、すぐに突然の災害でAさんの会社は経営状態が悪化してしまいました。
そんな心労もあり、後継者も決まらないままAさんは亡くなりました。
相続が発生した時点のAさんには、個人資産よりも多い連帯保証債務がありました。さて、どうしますか?

 この場合、相続時精算課税制度を利用していた場合でも、相続放棄することができます。
しかし、相続放棄しても相続時精算課税で受けた財産については、相続税の精算課税を受けることになります。

この事例のポイントは、次の4つです。
  ①息子へ相続時精算課税制度で贈与したteoria-a016.gif
  ②相続人は妻と息子Bのみ
  ③妻も息子Bも後継者となる気はない
  ④経営者Aの個人財産よりも、連帯保証債務が多い

 このような場合は、相続放棄をすることがベストでしょう。もちろん相続開始前3年以内に生前贈与された財産は、相続または遺贈により財産を取得しない限り、相続税は掛かりません。

 相続税については税法です。相続放棄は民法で規定されています。
したがって、相続時精算課税制度を利用しても相続放棄はできるのです。


info02 第20回
 6月3日(金)更新予定です。 どうぞお楽しみに!!

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