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事業承継のすすめ

第20回 "連帯保証債務"の相続

|2016年06月03日(金)

~ 引き受けは債権者の承諾必要 ~

債務の相続割合
 経営者であるAさんが会社の借入金5,000万円の連帯保証人だった場合、突然Aさんが亡くなり
会社としても債務返済できない時は、その連帯保証債務も相続することになります。

teoria-f002.gif相続人が妻と子2人の時、法定相続割合は次になります。
   妻B:2,500万円
   子C:1,250万円
   子D:1,250万円

 法定相続人が相続分を限度に連帯保証するようになりますので、各自が5,000万円の連帯保証人の地位を引き継ぐことにはなりません。
 借金だけ1人で相続することもありえます。連帯保証債務の相続割合を、遺産分割協議で決めることや、遺言で指定されていることもあるかもしれません。

 相続割合は基本的に相続人同士で話し合って決めることです。しかし、債務の引き受けには債権者の承諾が必要となるため、遺言や遺産分割協議で決めたからといって、債権者に主張はできません。

teoria-a007.gif

全相続人の家族状況などを考えてみます。
 例えば、子Cには事業に成功し財産があります。しかし、子Dは障害者であり支払い能力がありません。妻Bと子C・Dは話し合い、支払能力がない子Dに全ての債務を相続させてしまったら、債権者はお金を回収することができなくなってしまいます。
このようなことが起きないように、債務者が勝手に債権を委譲しないように承諾が必要となります。
 ただし、債権者(金融機関など)と合意が取れれば法定相続分とは違う割合でも分割可能です。
相続人の子が事業を引き継ぐ場合には、専門家に相談しながらあらゆる角度で対策を立てましょう。

ginkou.jpg金融機関との付き合い方
 「貸し渋り」や「貸し剥がし」が社会問題になり、最近では利益が出ていても資金繰りに窮している中小企業が数多くみられます。
このような会社は利益に比べて金融機関に支払う借入金が過大になっています。
 景気のいい時代では資金調達の際は、ほとんどが金融機関のお膳立ての下で行われていました。
借り換えも可能で、新規の融資も受けられたので資金繰りに苦労はなかったでしょう。

 しかし「貸し渋り」や「貸し剥がし」により、簡単に融資を受けることができなくなり、資金ショートしてしまっているのが現状です。経営者は、金融機関との交渉役だと考えるべきです。交渉は強い意志を持って臨まなければなりません。

teoria-h001.png 取引先や従業員への支払と金融機関への返済といずれかを優先するケースになった場合には、金融機関に対して条件緩和を交渉すべきでしょう。少しでも早く交渉に行き、本業に専念できる資金繰りを実現することが、企業が生き残るための基本です。不安であれば、顧問税理士に同行してもらうことをお勧めします。

 交渉の際は、金融機関を納得させるだけの材料を準備することはいうまでもありません。さらに、経営者自身の私財を含め大幅なリストラ案を提示し交渉すべきです。

teoria-a015.gif 再建に意欲ある後継者がいれば引き継ぐことも視野に入れます。経理は、透明かつ風通しが良い環境とし、月次の試算表や資金繰り表の作成および経営計画は不可欠です。

 金融機関は融資をするだけの企業ではありません。ビジネスマッチングや事業拡大支援など、さまざまな角度から支援してくれます。金融機関にしても取引先が成長すると、それだけ安定した優良顧客となるわけです。上手に付き合えば、金融機関の活用方法は広がります。


info02 第21回
 6月17日(金)公開予定です。 どうぞお楽しみに!

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