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事業承継のすすめ

第21回 会社に危機を招く争族

|2016年06月17日(金)

~ トラブル回避へ遺言書作成 ~

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権利行使の重要性
 中小企業では、経営者がほとんどの株を持っています。
 相続発生のときに速やかに遺産分割協議が整わないと、株主の権利を行使することができません。株主権の行使ができなければ、後継者は会社の運営もできません。

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 例えば、経営者Aさんが60%の株式を持ち、残りの40%はAさんの妻が所有しています。Aさんは生前から後継者は次男に決め、会社を手伝わせ、家族含めみんなが納得していると思い遺言書もありません。
ところがAさんの相続が発生し、次男が株式を含む事業用資産を相続しようとしたところ、兄弟が納得せず争いになり遺産分割は成立できません。
さて、どうなるでしょうか?
 

【会社法106条】(共有者による権利の行使)
 株式が二以上の者の共有に属するときは、共有者は当該株式についての権利を行使する者一人を定め、株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該株式についての権利を行使することができない。ただし、株式会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。


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 「会社法」では、共有の相続人が権利行使できる1人を決め、通知がなければ、
株式の権利を行使できないとなっています。したがって、遺産分割協議が整わなければ、株主権を行使する人が不在となり、株主総会も開催できないことになります。
 そうなれば、後継者として約束されていても、取締役を選任できないままとなり
最終的には会社の経営にも問題が起こることになります。

 相続で争いが起きる原因としては、後継者争いや財産の争奪戦だけに限らず、相続税を納めることができずに起こることもあります。争いを防ぐためには、遺言書の作成が有効になります。遺言書があれば、会社に代表取締役の空白時間をつくることはありません。

遺産分割でのトラブル
 相続人一致で後継者が決まり遺産分割協議も円満に終わった場合でも、将来トラブルになることもあります。兄弟姉妹は平等として、事業用資産である不動産の共有名義や株式を、同じ割合で所有するなどです。

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 例えば、不動産の売却や担保提供などは、経営者となった後継者1人で処理ができ
 なくなります。処理をする場合は、共有名義の全員で協議が必要となります。
 経営に必要な迅速性が失われます。株式の共有は、経営に参加しない親族が共有す
 ることで、会社の財産を目当てに、高額の配当金や役員就任と報酬の要求などの可能性があります。そうなれば、経営の障害にもなりえます。

 所有する預金や有価証券、連帯保証債務などの存在を、経営者以外が知らないということは避けて下さい。zaisan.jpg経営者は個人資産も負債もしっかりと把握し整理しておきましょう。
  忘れがちなのは、経営者と会社との間にある貸借関係です。ある場合は内容を明確に、場合によっては清算しておきます。金銭の場合は、寄付金なのか貸付金なのか明確にします。財産目録を作成しておけば、後継者とその他の相続人が困ることはないでしょう。 

 後継者が後々、親族間でトラブルにならないためには、現経営者が元気なうちに遺言書を作成し、財産の配分を決めることが有効的です。まずは、次の表を利用して資産状況を把握し、配偶者と後継者およびその他の相続人への資産分配を検討してみましょう。

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info02 第22回 
 7月1日(金)更新予定です。 どうぞお楽しみに!

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