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事業承継のすすめ

第22回 遺産分割の争いを防ぐ

|2016年07月01日(金)

~ 経営者、遺言書で想い明確に ~

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►受け取る財産に差
 相続財産の分割で、最も重要なことは「家族が争わない」ことです。
配偶者や後継者、その他の相続人の生活環境や、性格、能力などを考慮して
それぞれにあった財産を残すことがベストです。
 特に次の項目に考慮します。
           ①配偶者の老後の生活安定。生活拠点となる自宅および生活資金
teoria-h011.png ②後継者へ株式を集中
 ③後継者へ事業用資産を集中
 ④後継者以外の相続人に、個人の金融資産、個人の不動産など分配
 ⑤株式や公社債は、相続人の運用能力に応じる
 ⑥賃貸借物件は、相続人の管理と運用能力に応じる
           ⑦二次相続も考慮した分割(値上がりしそうな財産は子へ)
           ⑧流動資産の確保teoria-a016.gif

事業承継が伴う財産分割は、どうしても後継者に財産が集中します。
結果的に、その他の相続人と受け取る財産の差が出てきます。


生命保険を活用
 財産を一人の相続人に集中させ、相続財産の分割が不平等となってしまうときは、生命保険を活用した代償分割が有効的です。

 代償分割とは、後継者が相続財産のほとんどを取得する代わりに、他の相続人に対してその差額分を償還債務として負担することです。代償に充てる財産は、特定の相続人固有の財産となります。

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この場合に、後継者がそれなりの金融資産を持っていないと実行できません。
そこで、後継者を受け取り指定した生命保険を利用します。

 生命保険の死亡保険金は、受取人の固有財産となりますので、必ず後継者を受取人とします。
 受取人を指定しない場合や、他の相続人が受取人になっている場合は、別途代償に充てる財産を用意しなければなりません。

 また、生命保険の死亡保険金は納税資金にもなり、上手に活用すれば強い味方となります。
いずれにしても遺産分割でもめないためには、財産の所有者である現経営者が、遺言書により自身の想いを明確にすることが望ましいです。
 

遺留分に留意必要
 経営者が元気なうちに遺言書を作成することは、事業承継の有効的な対策の一つです。それでも、絶対に争いにならないとは言えません。
ユイゴン.gif 遺言書には2つの限界があります。
   ①相続人全員の同意があれば、遺言書と異なる分割ができる
   ②相続人には遺留分という最低限受け取る事ができる相続財産割合がある

 

 事業の継続を守るためには、遺言書は欠かせません。
 しかし、その内容が遺留分を侵害するような場合には「遺留分の減殺請求」を受けた時点で、相続財産が準共有の状態になってしまいます。つまり、優秀な後継者に事業用財産の全てを託したくても、その他の相続人から「待った」の声があがれば、それを拒むことはできません。

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 したがって、遺言書の作成に当たっては、遺留分に留意する必要があります。

第22回 表2.gif

 遺留分は配偶者と子、および直系尊属にだけ与えられた権利です。兄弟姉妹が相続人の場合でも、遺留分はありません。
 遺言書の内容が遺留分を侵害した内容になっている場合に、その相続人は黙っていれば「遺留分の減殺請求」が行使されるわけではありません。

 異議申し立てをしなければ、遺言書の内容で相続することになります。遺留分は、相続開始および減殺すべき贈与または、遺贈があったことを知った日から1年間のうちに行使し、相続は知っていても遺留分を侵害されていることを知らなかった場合は、相続開始から10年を経過すると時効により消滅します。


info02 第23回
  7月15日(金)更新予定です。 どうぞお楽しみに!

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