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事業承継のすすめ

第27回 好業績企業の節税対策

|2016年09月16日(金)

~ 株価引き下げる計画立案 ~

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►含み益が障害に
 企業価値が高い会社は好業績が続き、内部留保が高額になっている場合があります。また、所有する不動産や有価証券の含み益が多額になっている可能性があります。この場合、企業の自社株式の評価が高くなり、事業承継の障害となります。

 業績は低迷しているが、過去の実績により含み益を多額に持つ企業も少なくありません。含み益が出ている不動産や有価証券があれば、売却して実現益が出ないようにすることがポイントです。しかしこの場合、資産が内部留保に変わるだけですので、すぐに株価を引き下げることができません。

kabuka.gif 株価を引き下げる長期的な計画を立てて対応しましょう。後継者を思い、内部留保を貯めた結果自社株式が高くなり、事業承継ができない状況になってしまうことは、避けなければなりません。このような企業の場合、後継者が新設法人を作りそちらに事業を移転し、経営者が既存のままで内部留保を
           使うということも1つの案かもしれません。

会社分割を検討
 創業が古く業績が伸びている場合、自社株式が高くなります。相続税の負担も大きくなるので、
納税資金対策と事業承継を同時に進めることになります。
 会社が1社で、他に処分できる財産がない場合、相続税の納税資金確保が困難になります。さらに、相続人が複数いる場合は遺産分割を平等にすることは難しくなります。

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 この場合、自社株式を譲渡するしかありません。しかし、外部へ売却することはできません。内部で売却できる仕組みを作る必要があります。この場合、最終的な税負担は会社本体にかかってきます。
 そこで、会社を分割する方法を検討します。会社の分割は、節税にもなります。
株価が下がれば、後継者が買い取ることも可能でしょう。

►経営的視点持って
 分割の方法は、事業形態や経営者の考え方により様々です。
Dibujo.jpg例えば「事業部別」「製品別」「地域別」「業種別」「得意先別」「管理部別」
などが挙げられます。
分割することで業務に支障が出る可能性もあります。将来の成長を重点に経営的視点で分割します。

分割には、次の3つがあります。

①新設分割・吸収分割
 後継者が設立した会社に、本体会社から分割した優良な収益部門を事業譲渡します。注意点は、基本的に営業権は計上しないことです。営業権があると判断されれば、本体会社に対して営業権の譲渡益課税が発生します。

②分割型分割
 新設会社に含み益部分などを移転する場合は、課税がされ利用が制限されます。しかし、分割型分割では、一定の条件が満たされれば会社を分割し、課税も繰り延べできるようになりました。分割型分割は人的分割で合併に類似しています。

第27回 表1-1.gif

③分社型分割
 子会社を設立し事業譲渡する場合は、現経営者と後継者が別々のオーナーとして会社を設立し、収益部門を移転する方式でした。しかし、含み益のある不動産は移転できません。そこで、不動産子会社を設立し、そこに財産を移転します。この方法は、分割された本体会社の含み益を減少させることで、将来自社株式の評価を下げるようにします。分社型分割は現物出資と類似しています。

第27回 表1-2.gif

 分割型と分社型の違いは、分割したときの対価として、株式の割当先が分社する会社の場合は、
分社型分割になります。一方、株式の割当先が株主の場合は分割型分割です。


info02 第28回
 10月7日(金)更新予定です。 どうぞお楽しみに!

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