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事業承継のすすめ

第28回 兄弟同士の対立回避へ

|2016年10月07日(金)

~ 会社分割しそれぞれが経営 ~

►社内の争いにも
 兄弟2人に1つの会社を承継させているケースがあります。 兄弟で支え合い、会社を大きくしてほしい。相続財産も平等に分割できるという理由からかもしれません。
 しかし、どんなに仲の良い兄弟でも、経営に対する考え方が異なれば対立します。お互いが派閥をつくり社内を分割してしまうこともあるでしょう。teoria-n012.png

  兄弟同士は良くても、その次の承継のときにトラブルになる可能性が高くなります。両方の子が入社すれば、兄弟同士ほど意思疎通はできないでしょう。
 

 そこで、1つの会社を2つに分割しそれぞれ兄弟に承継させる方法があります。
seizou.jpg  例えば、製造部門を兄に、販売部門を弟に承継させれば、2人とも経営者になります。兄弟それぞれ性格が異なるでしょうから、それぞれの特性にあった方向に進ませてあげる方法です。hanbai.jpg

 分割の方法は、地域別や製品別、本業と資産管理など様々です。しかし、自助努力で会社が大きくもなり、収益も増えるような分割にしなければ、後々不満が出るかもしれません。注意が必要です。
現経営者が元気なうちに分割し、それぞれの会社の後継者として育て承継させます。teoria-b009.gif
 

持ち株会社設立
 本体会社1つでは、どうしても承継方法に限りがあります。そこで、円満に相続させる方法として、持ち株会社の活用があります。
 持ち株会社は、新しい法人を設立し、そこへ本体会社の株式を移転し保有します。持ち株会社を通じて本体会社の株式を保有することで、直接保有よりも株式の評価額が下がる場合があります。

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 持ち株会社のつくり方は、次の3つの方法があります。
  ①株式移転
  ②会社分割
  ③株式譲渡

第28回 表1.gif

 株式移転は、最も設立が簡単です。会社分割は、登記手続きが面倒になります。株式譲渡は、譲渡益に対して所得税が課税されてしまいます。

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関係者への理解
事業承継の計画は、関係者への説明と協力が必要です。承継後の経営陣の構成を視野に入れて、役員や従業員の世代交代の準備も進めます。
理解が必要な関係者は次になります。

【家族】
 後継者候補が複数いる場合は、後継者の能力・適性・属性を見極め「誰に後継者になってほしいのか」ご自身の思いを理解してもらいます。後継者が決まったら早い段階で、家族への理解を求めることで、後継者自身も意識が高まります。また、経営に必要な財産移転もスムースになり成功の確率が高くなります。

【他の株主】teoria-h009.png
 家族以外(法定相続人以外)の株主がいる場合は、経営計画を含め、後継者と共に他の株主の理解を進めます。家族以外の株主は、先代からの付き合いや、その企業への思い入れなどから株主になっていることが多々あります。企業の進むべき方向、創業時から守っていくものなど、現経営者と後継者の意思疎通を図り、他の株主にも引き続き支援してもらうように理解してもらいます。

        【従業員・役員】
teoria-n025.png 後継者の力量が試されます。従業員・役員との信頼関係を築くことが大切になります。後継者の「人となり」「能力」「適性」は、今後の企業存続にも係わり、自分達の生活にも影響することです。それだけに、見る目も厳しくなります。後継者として社内現場への実践を通じて、信頼関係を構築します。

【金融機関・取引先】
teoria-n010.png  経営計画、ビジョンを含め公表します。金融機関の場合は、現経営者が借入金の個人保証に入っていたり、個人財産を事業に提供している場合など、債務返済計画を含め理解してもらいます。
 取引先の場合は、先代・現経営者とのお付き合いの間柄で成り立っている場合もあります。経営者が変わることで、取引先は「取引先変更」「取引条件変更」など不安に思うこともあります。新体制となったときのビジョンを含め理解してもらいます。


info02 第29回
 10月21日(金) 更新予定です。 どうぞお楽しみに!

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