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事業承継のすすめ

第31回 企業価値と自社株対策

|2016年12月16日(金)

~ 自社株対策は欠かせず ~

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企業価値の評価法
 中小企業経営者の相続は、自社株がその財産に占める割合が多く、事業承継を円滑に行うためには、自社株対策が欠かせません。また、自社株対策には税法や民法、会社法も絡み複雑になっています。

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 企業を評価する方法として、次の4つの要素があります。
 

①時価価値
 相続や贈与、遺贈によって相続財産である自社株を取得する場合、課税価額は時価価値で評価されます。その時価評価は、財産評価基本通達に規定されています。

②清算価値
 企業を清算(廃業)した時を想定し、清算後の企業価値を時価で評価します。不動産や有価証券は時価で評価します。売掛金や受取手形など債権は、回収価値となります。企業の持っている設備や棚卸資産、その他の売却できる全てのものは、売却して換金した価値です。さらに、従業員がいる場合には、退職金を計上します。したがって、時価よりも低い価値となります。

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③事業売却価値
 M&Aの売却価格です。一般的にDCF法といって将来、対象の企業が稼ぐキャッシュ・フローを見積もり、事業継続価値や清算価値などを加え、さらに現在価値に引き直して算定します。しかし、中小企業の場合、正確にキャッシュ・フローを見積もることは難しく、DCF法を採用できる企業は少ないでしょう。
 実際に中小企業のM&Aは、決算書上の純資産価額に営業権(営業利益、または経常利益の3~5ヵ年を目安)を加算して算定する場合が多いでしょう。

④事業継続価値
 事業継続するときの評価価値は営業権などを加算して評価する場合があります。類似業種比準価額が近似値となります。

 中小企業の場合はこれらの評価価値以外にも、技術力やオリジナリティ、ニッチなシェアを独占している場合など、数値に表すことができない部分も評価に影響します。

►準備期間と知識必要teoria-h002.gif
 事業承継の方法は、親族承継の他に従業員などへの承継やM&Aがあります。
どの方法を選択しても、自社株の評価が影響します。従って、事業承継を円滑に行うためには、自社株の対策が不可欠ということです。また、法改正もここ数年進んでいますので、対策には充分な準備期間と知識が必要となります。

 対策は、経営や資産状況と納税や節税など、総合的に取り組む必要があります。取り組む際の主なポイントは次になります。

①後継者とその他の相続人の関係
 争いが起きないように対策を立てます。主に、遺言書や遺留分などの活用となります。

②経営権の株式確保(支配権の確保)teoria-f002.gif
 支配権の株式を、後継者へ承継させるときのコスト把握が重要となります。
 支配権保全対策として、3分の2以上を後継者に取得させます。

③後継者についての対策
 後継者の決定および育成、関係者との信頼強化。会社分割などの検討。

④相続人ごとの納税資金確保
 生命保険や退職金の利用。納税方法として、延納や物納の検討。納税猶予を適用させるための
 対策など。
 

⑤株価引き下げなどの節税対策
 自社株評価引き下げ対策。配当金や利益対策。純資産価額対策および組織再編など。

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 自社株対策は「親族承継」「親族外承継(経営親族外、株式親族)」「M&A、のれん売却など」など、どの承継方法にするかにより変わります。


info02 第32回
  来年1月6日(金)更新予定です。 どうぞお楽しみに!

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