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事業承継のすすめ

第33回 自社株の引き下げ対策

|2017年01月20日(金)

~ 特別配当や不良債権を利用 ~

►株主構成など把握
 自社株を承継する考え方として、まずは「現状分析」を行い株主の構成や株価の算定を行ってから
相続税の試算を行います。
 次に株価が高額であれば、相続税が高額になります。また、名義株主がいる場合には買い取りを
行います。そのためには、株価の引き下げ対策が必要です。teoria-a015.gif
 その後に、贈与や譲渡による移転、または相続による移転を行います。

 同族株主の自社株式は、次の2つの方式で評価されます。

【類似業種比準方式】
 事業の内容が類似している上場会社の平均値が、比準値となり計算します。
比準要素は、配当金額、利益金額、純資産価額を基に計算します。 この3要素が小さくなればそれだけ自社株の評価も下がります。

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次の会社は、株式評価が高くなります。
   ①毎年多額の配当を行っている会社
   ②毎年多額の利益がある会社
   ③純資産価額が大きい会社(蓄積利益が多い)

 従って、株価を下げるには・・・
   ①毎年の配当率を引き下げ、特別配当を利用する
   ②不良債権の貸倒償却など利用して、法人の利益を圧縮する
   ③純資産価額方式の対策と同様

【純資産価額方式】
 純資産価額方式は、課税時期に会社を清算したと仮定し、その時の株式評価となります。
 会社の純資産から算出されます。いずれかを減らすことで純資産価額を下げることができます。
 例えば「経営者に役員退職金を支払い、純資産を減少させる」「会社の保有している資産を見直し、含み益のある資産があれば、会社分割などを行い株価を引き下げる」などです。

対策の基本と手順
 事業承継対策は、経営者や後継者の年齢や財産構成、家族構成や後継者の有無により変わります。
100人の経営者が事業承継をすれば、100通りの方法があります。
 効率よく事業を承継するためには、相続税や贈与税の対策は極めて重要になります。

 相続及び贈与に当たって、事業承継対策の基本は、次の手順で進みます。

【現状の財産把握】
 まずは、現状を分析します。分析の項目は次になります。
   ①法定相続人の確定(家系図作成)
   ②財産把握評価(数値に表す)
   ③相続税額の把握、および相続税額の実効税率の把握

 特に、財産把握と評価は土地の評価で大きく変わります。土地評価については、評価する税理士により違います。遊休地など利用率の低い場合は、土地活用の検討も必要になります。

【相続対策の立案】
 相続対策は、相続人の間で争いが起こらないための「心の対策」とteoria-f002.gif
節税・納税のための「お金の対策」があります。

 ①心の対策(揉めない対策)

 ◎ 公正証書などの遺言書作成
 ◎ 遺留分に配慮
 ◎ 生前贈与と遺留分放棄
 ◎ 財産整理


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      ②お金の対策(節税対策)

 ◎ 生前贈与で財産の移転
 ◎ 相続時精算課税制度の活用
 ◎ 配偶者への贈与活用
 ◎ 自社株の引き下げ
 ◎ 会社分割など法人再編による評価減
 ◎ 生命保険などを活用した非課税枠の活用
 ◎ 年金保険を活用し融資資産の評価減対策


 ③お金の対策(納税対策)

 ◎ 生命保険金の活用、同族会社への不動産など売却による納付対策
 ◎ 物納対策
 ◎ 延納対策

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【実 行】
対策の方法が決まったら、スケジュールを立てます。
スケジュールは経営者の年齢や健康状態によっても変わります。
 まずは、3年単位で作成しましょう。


info02 第34回
  2月3日(金)更新予定です。 どうぞお楽しみに!

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