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事業承継のすすめ

第38回 定款が会社を守る切り札

|2017年04月07日(金)

~ 株主代表訴訟防止する手段 ~

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会社の憲法
 2006年の新会社法施行により、株式会社が1円で設立できるようになったことは、随分話題になりました。これは、企業を支援するための法改正です。
 そして、中小企業にとってこの改正は、より「定款」の重要性を増しました。

 定款とは、会社が組織活動をしていく上で必要な根本規則を定義した、「会社の憲法」というべきものです。
teikan.png  定款は次の3つの事項からできています。
   ①絶対的記載事項(不足していると定款が無効になる)
   ②相対的記載事項(定款への記載が法的効力有効条件)
   ③任意的記載事項(定款の範囲で株主など拘束)

 特に、新会社法施行で定款への記載が法的効力をもたらす相対的記載事項が大幅に増えました。その結果、法的効力を有したければ、定款への記載が必要となります。
teoria-i002.png つまり、定款の規定が重要性を増したことになります。
 定款は、会社にとって大切な「憲法」ですが、定款の雛形はインターネットでも手軽に入手することができます。今までその様な雛形を利用した定款を多くの企業が利用していました。しかし、これからの時代はオリジナルの定款が「会社を守り、もめ事を防止」する切り札となります。

もめ事を防ぐ
saibanchou.png 中小企業の事業承継の場合で、現経営者の相続人以外の親族株主や第三者株主がいる場合に「株主代表訴訟」の訴えを起こされる可能性があります。
 「株主代表訴訟」は大企業の話だけではありません。約80%が中小企業で起きているといわれています。
 まず、株主代表訴訟とは「株主が、会社に代わり直接取締役に対して、会社に対する責任を追及する損害賠償請求訴訟」のことです。6ヶ月間株式を所有していれば、訴訟提起できます。また、訴訟の手数料も1万3,000円と安く、訴訟提起に拍車をかけています。
 特に、中小企業の経営権の争いなどで、株主代表訴訟が多く提起されるようになっています。このようなもめ事を防止するためには、定款を積極的に活用する必要があります。

       ►譲渡制限付株式
株券.jpg 株式とは、会社が不特定多数の人から資金調達を行うために発行する出資証券です。株式を持つ意味は、配当や譲渡益で利益を得ることや、間接的に企業の経営にも参加できることです。この「株式譲渡自由の原則」は、上場会社には通用します。

 一方、中小企業の場合は、経営者の意向に沿わない株主は「拒みたい」「会社にとって好ましくない者には経営へ参加してほしくない」ということになります。そこで「譲渡制限付株式」を定款に定め登記します。それにより第3者へ譲渡制限付株式を譲渡しようとする場合には、会社に対して承認の請求を行うか、請求しない場合には、買受人指定請求をする必要があります。

 譲渡制限が付いてれば、経営者の相続人の中で、後継者ともめるような者がいても会社は「株式強制売渡請求」ができます。それにより、株式の分散も防ぐことができます。

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 現在は株券不発行が原則です。しかし2006年以前から存在する優秀な会社は注意が必要です。まず、定款と登記簿の「株券発行をする」という記載をすぐに削除してください。そうしなければ、株主から株券発行請求をされれば、株券を発行しなければなりません。そして将来、会社経営に好ましくない者が、この株券を取得して高額買い取りを請求されることも考えられます。


info02 第39回
 4月21日(金)更新予定です。 どうぞお楽しみに!

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