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事業承継のすすめ

第39回 非友好的な株主対策を

|2017年04月21日(金)

~ オリジナルの定款規定作成 ~

定款規定の整備を
 必要な判断基準は、まず「第三者の株主」の有無です。会社の憲法といわれる定款以外にオリジナルの定款規定として盛り込みたい点は次になります。

①取締役会・監査役の設置
teoria-a006.gif  会社法では、株式会社に必要な機関として株主総会、および取締役1名と定められています。もし第三者の株主が存在し、取締役会および監査役がいない場合は、株主の監視権が強くなりますので、取締役会および監査役を置くことを定款で定めるといいでしょう。

②役員の任期
 会社法では、株式譲渡制限会社であれば、役員の任期を最長10年までとすることができます。
しかし、将来において後継者の経営権を脅かす恐れのある親族役員や、古参役員がそのまま10年の任期を持つことは危険です。

teoria-k002.gif 無条件に10年としてしまった場合に、その者と争いが起こっても原則として解任することができません。定款で任期を定める場合は、慎重に検討する必要があります。任期を定めなければ、原則として2年が適用されます。


③他の株主の売主追加請求排除
 特定の株主から「株式を買い取ってほしい」と会社に請求があり、さらに他の全株主から「私も売主になりたい」という請求があった場合に、買取財源の限度など、会社として不都合が生じる可能性があります。 このようなことを防ぐために、定款で「他の株主の売主追加請求排除」を定めるといいでしょう。

④株主総会の議決要件
 定款の定めで、株主総会の議決要件を一定の範囲で、任意に加重・緩和することができます。
 経営者が単独で会社の重要事項を決められるように、定めておくことが良いでしょう。

►トラブル回避へ
 新会社法により、少数株主権を行使できる要件が強化されました。以前は総株主の議決権に対して、一定以上の議決権基準がありました。したがって、株主総会で議決権制限株式は何株持っていても少数株主権は行使できませんでした。

 しかし、次の4つの権利について議決権がない株式でも行使できる株式数基準が導入されました。
   ①帳簿閲覧権
   ②検査役選任請求権
   ③取締役の解任請求権
   ④解散請求権

 後継者に議決権を有する株式を取得させたとしても、他の親族などが持つ議決権制限株式があれば、その株を所有する者は上記の権利を持っていることになります。

teoria-h012.png

   例えば、議決権制限株式を持つ伯父に相続があったとします。
  その伯父の相続人の一人に、素行が悪く問題がある子がいます。
  その問題のある子が、この議決権制限株式を相続した場合に
  トラブルになる可能性が高くなります。

 少数株主が、友好的かどうかで対応が変わります。非友好的な場合は、議決権を制限するか、全部取得条項付種類株式で買い取ります。teoria-h004.png
  友好的な場合は、次の3つの買い取りを検討します。
   ①経営者個人が買い取る
   ②従業員持株会が買い取る
   ③会社が買い取る

 会社が買い取る場合には、譲渡承認請求を出してもらうか、特定株主からの取得による方法を取った方が、買取資源の面からもいいでしょう。

 補足として、単独株主権と少数株主権の違いは、単独株主権は1株の株主でも行使できる権利で、少数株主権は、発行株式総数の一定割合以上、または株主総会の議決権の一定割合以上・一定数以上を有する株主のみが行使できる権利です。

第39回 表2.gif


info02 第40回
  5月19日(金)更新予定です。 どうぞお楽しみに!

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