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事業承継のすすめ

第40回 「単元株制度」を定款に

|2017年05月19日(金)

~ 嫌がらせ目的の訴訟を防止 ~

訴訟を起こす理由
saiban ime-zi.jpg 基本的に株主代表訴訟は、役員などが会社に対する責務を怠り、会社に損害を
与えた時に起こすことができるようにしたものです。

  しかし、中小企業では事業承継や後継者争い、相続争いなどのはけ口として、会社経営に対する不満にかこつけて株主代表訴訟を起こす事例も出てきています。
  現在の訴訟手数料は1万3,000円と低額です。したがって、敵対株主は「会社の正義」として
ほとんどノーリスクで会社の経営者の名誉を奪うことも、損害賠償を負わせることも可能です。

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 訴訟となれば、社長のゴルフ接待から飲食代、高級車や別荘の購入などがあれば標的となります。法令順守し、会計上透明性があっても、事業はある程度リスクを覚悟しなければ利益を得ることはできません。しかし、事業展開がいつも成功するわけではないでしょう。

 失敗が原因で利益の減少、赤字となれば、会社に不利益を与えることになります。
こうなれば、1株しか持っていない株主でも「役員が会社に損害を与えた」として訴えられます。

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►議決権行使を制限
 この訴訟は、損害を与えた役員が会社に対して弁償するように訴えるものです。
したがって、訴えた株主に利益はありません。目的は「会社の正義」を振りかざした「嫌がらせ」です。

 株主代表訴訟を起こされないためには、経営者と後継者が100%の株式を持つことです。また、一定数を1単元として、その1単元の株式に対して議決権の行使を認め、単元未満株式には議決権の行使を認めないという「単元株制度」を導入し定款で定めれば1単元未満の株主には、株主代表訴訟権はありません。

名義株の問題
 1990年の商法改正前に設立されている株式会社は、会社設立に7人以上の発起人が必要でした。実際に出資していない名義株主がいる場合があります。その結果、名義株主が保有する「名義株」を持つ会社が少なくありません。また、従業員などが所有する株式を、退職後もそのままにしていることがあります。この名義株は、実際の株式所有者が名義人なのか、出資者なのか、もめる原因となります。

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 例えば、経営者Aが創業の時に、叔父Bの名義を借りて会社を設立したとします。
 株式に充てた資金は、経営者Aが出しました。その後、叔父Bが勤めていた会社が倒産したので、叔父BはAの会社で働くようになりました。 叔父Bは7年前に定年退職をしています。会社の業績は、少しずつでも右肩上がりとなっています。この場合、そのまま放置しておくと、叔父Bから権利を主張され、名義株の買取請求が起こる可能性があります。

 名義株の数によっては、買取資金は莫大な金額になってしまいます。さらに、叔父Bが勤めている間に会社の業績が良く配当金を出していた場合は、実質株主となってしまいます。

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 名義株がある場合は、その当時のことをよく知る創業社長が解決することが一番です。解決方法は、名義株の名義変更をすることです。自身が引退することを話し、手続きを進めることが良いでしょう。

 手続きには「名義書替承諾書」に実印を押してもらい、さらに印鑑証明書をもらいましょう。syorui.jpg 経営者が亡くなった時に、会社の経営権を巡り訴訟になる可能性もありますので、早いうちに解決すべきです。


info02 第41回
  6月2日(金)更新予定です。 どうぞお楽しみに!

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