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事業承継のすすめ

第42回 会社乗っ取り事前防衛

|2017年06月16日(金)

~ 種類株式の活用と生前贈与 ~

乗っ取り防衛策
 安定した株式を保有していても、相続人は売渡請求の議決権がありません。言い換えれば、株式を一番保有していても、議決に参加することができないのです。これが相続に端を発した「乗っ取り」へ展開します。しかし、事前に防衛することができます。

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例えば
①経営者一族の持ち株を、持株会社に集める
②経営者が所有する株式だけ、株式譲渡制限を外す
③経営者の相続発生時に、会社が所定の条件で株式を取得することができる
 取得条項付株式に転換する
④普通株式を全部取得条項付種類株式とし、その後完全無議決権株式に転換する
 同時に経営者には別の普通株式を発行する
⑤後継者に拒否権付種類株式(黄金株)を発行する
⑥生前に経営者の株式を後継者に全て贈与する

などの防衛策があります。
 

 また、乗っ取りが起こった後からの対応は「議決権の取り消しの訴えを起こす」ことになります。または、面倒ですが売渡請求が必要な時だけ定款を変更し、ことが済んだらまた元に戻しておくことが無難です。

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►議決権を制限する方法
  種類株式の活用があります。主な種類株式は

①拒否権付種類株式(黄金株)
 議決権は持っている株式の数によって変わります。したがって、株式を多く持つ株主の意見が通ることになります。しかし、少しの株式保有でも、意思決定を持つことができます。
それが黄金株と呼ばれる「拒否権付種類株式」です。
 この種類株式は、株主総会や取締役会などで決議する事項について、決議のほかにこの「拒否権付種類株式の株主の決議」が必要となります。


②取締役・監査役選任権付種類株式(人事権株)
 この株式が持つ権利は、種類株主総会において取締役や監査役を選任することです。株主総会では取締役会で決定した議題以外は決定することができません。したがって、株主総会の議題自体を制限することができます。
 ただしこの種類株式は、委員会設置会社ではない非公開会社のみが発行できます。

③属人的種類株式(人的種類株式)
 特定の株主に対して、剰余金の配当や残余財産の分配、議決権について株主ごとに取り扱いが違う株式です。また、持株数は関係ありません。属人的定めを定款に定める手続きは、株主総会において「総株主の頭数の半数以上で、総株主の議決権の4分の3以上の賛成」が必要です。
 しかしその条件をクリアすれば、定款に「株主ごと異なる取り扱いを行う」と規定するだけでよく、登記が不要です。この株式を活用し、経営者や後継者だけが議決権を持つ株式とします。そうすれば、その株式を他の人が所有した時点で議決権が無くなります。

④単元株制度
 一定数を1単元として、その1単元の株式に対して議決権の行使を認め、単元未満株式には議決権の行使を認めない制度です。定款で定めれば1単元未満の株主には株主代表訴訟権はありません。

経営権と株式移転
 事業承継は、現経営者が経営権を維持しながら、後継者の成長を見計らい移行していきます。普通株式でも、2分の1超の議決権を持っていれば、役員の選任権があります。3分の1超の議決権で、特別決議を阻止することができます。

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 後継者に株式を贈与などで移転する際、
上記以下となった時に「拒否権付種類株式(黄金株)」が有効となります。


info02 第43回
 7月7日(金)更新予定です。 どうぞお楽しみに!

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