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事業承継のすすめ

第43回 独断経営を防ぐ黄金株

|2017年07月07日(金)

~ 敵対的買収防衛策にも有効 ~

►株主総会議決に拒否権teoria-f002.gif
 「拒否権付種類株式」は、定款で定めている重要事項について、株主総会の決議に
対し拒否権を持つ株式で「黄金株」ともいわれています。
 黄金株の発行は、通常1株か少ない株数しか発行されませんので、経営者や後継者が取得します。
 例えば、事業承継を進める過程で、株式の移転を行います。移転に伴い現経営者の持つ株式が2分の1以下になっても、後継者が独断経営に走ったとき、止めることができる「手綱」となります。

その他
①後継者が黄金株を持つことで、他の親族などが経営に割り込めないようにする
②事業承継後も元経営者が黄金株を持ち、重要な事項に対して最終的判断を下す
③敵対的買収を拒否するための買収防衛策
としても活用できます。

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 定款に定める重要事項は、あまりに広範囲に定めると、会社の意思決定を常に拘束されることになるので、「会社の合併や分割」「役員の選任や解任」「事業譲渡」など
影響が大きなものだけです。

 とても強い力を持つ黄金株ですが、この株式評価は普通株式と同じです。
ただし、経営者の相続が発生したときに、この黄金株は必ず後継者が取得しなければなりません。

 自社株や事業用資産の取得で、遺留分問題もあるかもしれませんが、存在を忘れ他の相続人が取得した場合に、会社の経営がスムースに運ばなくなる可能性があります。後から買い取ることができますが、株式評価は普通株式と同じでも、プレミアが付く可能性も充分に考えられます。第三者に譲渡されるのを避ける対策としては、譲渡制限を付ける方法が有効です。

►役員選任権を持つ株式
teoria-n025.png 「役員選任権付種類株式」とは、この株式を持っている株主が種類株主総会を開催し、取締役または監査役を選任することができる株式です。この株式は公開会社では発行することができません。
 また、この株式を発行したら、株主総会では取締役および監査役の選任はできなくなります。
 事業承継では、後継者が本来の力を発揮できるような、新体制づくりが必要です。参謀として、誰を役員にするかは後継者自身が決めるといいでしょう。

 しかし、先代経営者と共に、長い間会社の成長を支えてきた古参役員にとっては不満が募るかもしれません。経営者が引退するまでは役員選任権付種類株式を持ち、引退後は後継者へ移転すれば、後継者の経営権も確立します。

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従業員の士気を高める
  同族会社などで役員は経営者一族と決まっている場合、従業員はどんなに頑張っても先が知れています。そこで、優秀な従業員も取締役に選ぶことができれば、
従業員のやる気が高まります。そこで、この株式を活用します。

 例えば、取締役数を5名とし、そのうち3名は経営者一族から、残りを従業員から選ぶことができます。
 株式を「普通株式」と「役員選任権付種類株式」の2種類にして、定款に通常株主総会で3名の取締役を選任、種類株主総会で残り2名の取締役を選任すると記載。

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 従業員から選ぶ取締役候補は、自薦・他薦で絞ります。全員か、ある一定条件の従業員にこの種類株式を1株ずつ持たせれば、役員選任の議決権を行使することができます。それにより自分達で選んだリーダーが誕生し、従業員も納得感を得られます。選ばれたリーダーも責任感を持って働くことができます。


info02 第44回
 7月21日(金)更新予定です。どうぞお楽しみに!

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