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事業承継のすすめ

第44回 "無議決権株式"を活用

|2017年07月21日(金)

~ 後継者以外の相続人対策で ~

無議決権株式とは
 株主総会で議決権がない株式です。この株式を活用し、後継者には議決権のある普通株式を、後継者以外の相続人には無議決権株式を相続させます。もちろん、法定相続分や遺留分を考慮した遺言書の作成は欠かせません。

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 この相続税による株式の評価は、議決権のある普通株式と同様に評価することが原則です。しかし、相続人全体の相続税評価額が「不変」であることを前提で、議決権がないことを考慮し、普通株式評価額から5%を評価減することが可能となりました。
 

 ただし、後継者以外が相続で取得する株式に議決権も流動性もないと、不満が生じるかも知れません。その対策として、無議決権株式とする代わりに、配当について優先を与える「配当優先付の無議決権株式」にする方法があります。

 発行方法は表1の4つがあります。

第44回 表1.gif

また、共通の発行手続きは次になります。

  ①議決権制限株式(無議決権株式)を発行する旨の定款変更(株主総会の決議)
  ②特別決議は、議決権の過半数を有する株主の出席、かつ出席した株主の3分の2以上
  ③株券発行会社の場合は、株券の発行
  ④登記

同族外後継者の地位
 従業員などへの事業承継は、経営者のやり方や社内のことをよく知りメリットも多いのです。
 teoria-h001.png 一方、株式取得資金がないところが障害となります。そこで、財産権は経営者やその一族がそのまま保持し、経営権だけを後継者へ渡すことで、取得資金が少なくて済むようにします。

►活用しやすい3パターン
  ①拒否権付種類株式(黄金株)を発行し、重要事項の拒否権を経営者が持つ。さらに、後継者へ
   株式を贈与または譲渡する。
  ②配当優先の無議決権株式を発行し、後継者とならない経営者親族にこの株式を相続させる。
   従業員後継者には議決権なる普通株式を取得させる。
  ③従業員に役員任期途中の解任を拒否できる権利を付けた株式を、贈与または譲渡する。
   経営者は重要事項の決定に必要な3分の2超の株式を所有する。

 従業員など親族外が承継する場合は、相続人などと違い同族ではありません。したがって、法的地位を補完しなければ、後継者が安心して承継することができません。
teoria-m002.png 雇用関係については法的に守られていますが、役員としての地位は不安定です。そこで、定款に記載してある役員任期を検討します。役員任期が長期の10年であれば、後継者は安心ですが、経営者の心理としては心配でしょう。

 このような場合は③の方法が有効となります。


info02 第45回(最終回)
 8月4日(金)更新予定です。 どうぞお楽しみに!

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