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国外財産調書制度について

投稿者:柏樹 正一倶知安

|2021年06月07日(月)

税理士 柏樹 正一のコラム(第50回)

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 国外財産調書制度とは、その年の12月31日において、5千万円を超える国外財産を保有する人は、翌年の3月15日までに、その国外財産の種類、数量、価額その他必要事項を記載した「国外財産調書」を税務署に提出しなければならないというものです。

 この制度は、富裕層による国外財産の保有が増加する中、国外財産に対する課税の適正化を図るため平成26年1月に施行され、令和元年分の国外財産調書の提出状況は、全国で10,652件、総財産額で4兆2,554億円となっています。

 そして、この制度には、次のような加算税の軽減・加重措置と罰則の適用という特例が設けられています。
 ① 提出された調書に記載のある国外財産について、所得税・相続税の申告漏れが生じたときで
   あっても、加算税が5%軽減される。
 ② 調書の提出がない場合又は提出された調書に記載のない国外財産について、所得税・相続税の
   申告漏れが生じたときには、加算税が5%加重される。
 ③ 正当な理由なく期限内に提出がない場合又は虚偽記載の場合に、1年以下の懲役又は
   50万円以下の罰金に処されることがある。

 また、国外で行われた取引に関し、適切な情報開示を促す観点から、税務調査において納税者が指定された期限までに国外財産に係る必要な資料を提示・提出しない場合には、加算税の軽減措置は不適用とされ、加重措置の加重割合は原則として10%に引き上げられます。

 

倶知安事務所 所長 税理士 柏樹 正一

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