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なかの語録

100年企業をめざす「事業の承継」(第75回)

【連載】事業承継入門|2016年03月15日(火)

76.信託を活用した事業承継とは、どんな方法ですか?

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flair POINT

 1 ► 遺言代用信託を活用する
 2 ► 他益信託を活用する
 3 ► 受益者連続型信託


 ———— 遺言代用信託を活用する
 「①遺言信託」「②遺言代用信託」とは違います。

遺言信託
 遺言信託は、例えば経営者の遺言に、Aという財産を信託とする定めがあった場合に、相続が発生した時に受託者に財産Aが移ります。そして、その財産から生ずる収益やその財産自体は、遺言で指定され人に配分されます。

遺言代用信託
 遺言代用信託は、経営者(委託者)が生前に自社株式を信託に設定した場合に、その信託契約ではじめは自身が信託の受益者となり、相続が発生した時に後継者が受益権を取得します。

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 2つの大きな違いは、遺言信託では経営者(委託者)が死亡した場合に、委託者の地位は相続人に承継されません。しかし、遺言代用信託では信託のスタートが、経営者(委託者)が生きている間に財産を信託した時点となり、経営者が死亡した場合にその地位は、遺言代用信託では承継されます。

 遺言代用信託には、次の特徴があります。

 (1) 後継者に確実に経営権を取得させることが可能
 (2) 自社株式を対象に信託設定することで、受託者が株式を管理するため、第三者が自由に
   自社株を譲渡してしまうことを防止することができる
 (3) 後継者(死亡後受益者)は、経営者の相続開始と同時に「受益者」となるため経営上の
   空白期間が生じない

 ———— 他益信託を活用する
 他益信託の活用は、経営者(委託者)が生前に自社株式を対象に信託を設定し、その信託契約で後継者を受益者と定めます。他益信託には、次の特徴があります。

 (1) 経営者が、議決権行使の指図権を保持することで、引き続き経営権を維持することができ、
   さらに、自社株式の財産的部分のみを後継者に取得させることが可能
 (2) 信託の終了時を契約で自由に設定することができるので、経営者の様々な意向が反映しやすい
 (3) 信託の終了時に、後継者が自社株式の交付を受ける定めをしておくことで、後継者の地位が
   確立し安定する

 (4) 信託方式で、種類株式と同等の効果が得られる

 ———— 受益者連続型信託
teoria-d007.gif  跡継ぎ遺贈型信託ともいわれ、経営者(委託者)が自社株式を対象に信託を設定します。その信託契約で、後継者を受益者と定めます。さらに、その後継者が死亡した場合には、その受益権が消滅し、次の後継者が新たな受益権を取得することを定めることができます。受益者連続型信託の特徴は、次になります。

 (1) 現経営者が、次の後継者だけでなく、孫後継者の指定まで行うことができる
 (2) 信託契約から30年を経過した以降に、新たに受益者になったものが死亡するまで、
   信託が継続する
 (3) 財産の分散防止と、委託者の意思通りに順次継がせることができるため、事業の
   承継
などへの活用が期待できる。


info02 次回タイトル
 【経営権を承継させるときに必要な対策を教えて下さい】
 H28.4.1 更新予定です。 どうぞお楽しみに!

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