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外れ馬券代は必要経費-最高裁確定へ

|2015年03月04日(水)

札幌事務所佐藤です。

 世は確定申告真っ盛り。そんな中、所得税関係でこんなニュースがありました。
外れ馬券購入費は「経費」 最高裁、確定へ (出典:朝日新聞デジタル)
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 競馬の当たり配当金に対する所得税を計算するにあたり、外れ馬券の購入額を必要経費とできるかどうかが争われた裁判で、最高裁判所が二審の判決を支持する見通しとなったものです。
 
 一見納税者に有利なこの判決。自分にも該当するかも?と考える競馬ファンの方もいらっしゃるかもしれませんが、そうそううまくはいきません。

 

   ①本件の被告人は、3年間で28億7000万円にもわたる多額の馬券を購入していました。
これが、単なる娯楽の範囲を超えた「資産運用の一種」とみなされたため、当たり配当額が
所得税の計算上「雑所得」とみなされ、外れ馬券の購入額を必要経費とできたわけです。
つまり、普段はサラリーマンとして働いており、月に一、二度趣味で馬券を買ってみるといった買い方では、当たり配当額は「一時所得」とみなされ、外れ馬券は必要経費として認められません。
 
 ②被告人はオンラインで馬券を購入していました。つまり、購入履歴がすべて保管されていたからこそ外れ馬券の購入額を証明することができたわけです。競馬場や場外馬券場で購入した際は、そのような証明ができないため、少なくとも現時点では外れ馬券購入額を必要経費とするのは難しいでしょう。  

 ③外れ馬券の購入額が必要経費として認められたこと自体は被告人の主張が認められた形ですが、一方被告人には「懲役2か月、執行猶予2年」の判決が下っています。
申告不要・無罪放免と判断されたわけではないということです。

 税法とは難解なものです。皆様が生活する中で、どこに落とし穴があるかわかりません。
 転ばぬ先の杖として、ぜひ中野会計事務所へご相談ください。

 

 

 

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