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個人の自動車に損失が生じたら...所得税

投稿者:柏樹 正一倶知安

|2017年10月09日(月)

                           税理士 柏樹 正一のコラム(第21回)

 個人が所有する自動車に損失が生じた場合、その原因が譲渡によるものか災害等によるものかにより、また、使用状況が事業用なのか、通勤用・生活用なのか、レジャー用なのかにより、所得税の取扱いは次のようになります。

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1 譲渡による損失

(1)事業用の自動車の譲渡による損失は、総合課税の譲渡所得として、その損失を他の所得から損益通算することができます。

(2)通勤用・生活用の自動車は、「生活用動産」として非課税所得になり、譲渡による損失が生じてもその損失はなかったものとされます。

(3)レジャー用の自動車は「生活に通常必要でない資産」として、譲渡による損失が生じても損益通算の対象とならず、その損失はなかったものとみなされます。

2 災害等による損失

(1)事業用の自動車は、災害によるほか除却、滅失による損失の金額を含め必要経費に算入されます。

(2)通勤用・生活用の自動車の災害、盗難による損失は、「生活に通常必要な資産」の損失として、所得控除として雑損控除の対象になります。

(3)レジャー用の自動車の災害、盗難による損失は、「生活に通常必要でない資産」の損失として、損失の生じた年分及び翌年分に譲渡所得がある場合に限り譲渡所得から差し引くことができます。

 このように、事業用の自動車は、譲渡又は災害・除却等によって生じた損失は、損益通算の対象又は必要経費となりますが、通勤用・生活用又はレジャー用の自動車は、譲渡による損失は所得計算上考慮されず、災害等による損失は、通勤用・生活用の自動車は雑損控除の対象になりますが、レジャー用の自動車はその年及び翌年の譲渡所得からのみ差し引くことができます。

                         札幌事務所 副所長 税理士 柏樹 正一

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