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業務用資産の取得に要した借入金利子の必要経費算入時期

投稿者:柏樹 正一倶知安

|2018年08月27日(月)

                           税理士 柏樹 正一のコラム(第28回)

所得税の必要経費は、業務の遂行上生じたものに限られます。

 業務用資産を融資により取得した際に要した借入金利子は、一般的には原価性がないものですので、原則として必要経費に算入できますが、使用開始までの期間に対応する部分の金額については、取得行為の一連とみることもできるので取得価額に含めてもよいとされています。

 ここで注意したいのは、新たに事業を開始するに当たって、業務の用に供する資産を融資により取得した場合の借入金利子については、その時点ではまだ業務を行っていませんので、必要経費に算入できないということです。

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 例えば、勤務医の方が個人で医院を開業するに当たり土地・建物を取得する場合や、不動産の貸付けを行っていなかった方が新たにアパートを取得する場合、これらの業務用資産の取得に要した借入金利子については、業務を開始した後の部分の金額は必要経費に算入されますが、業務を開始する前の部分の金額は必要経費とはならず取得価額に算入することになります。

 なお、事業を営んでいる方が新たな固定資産を取得する場合や不動産貸付けを行っている方が新たなアパートを取得する場合は、既に業務を営んでいますので、これらの業務用資産の取得に要した借入金利子については、使用開始までの部分の金額も原則として必要経費に算入できます。
 

                          札幌事務所 副所長 税理士 柏樹 正一

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