税理士 高橋 徹 のコラム(第26回)
令和2年度税制改正において、低未利用土地を譲渡した場合で一定の要件を満たすときは、長期譲渡所得の金額から100万円を控除できる制度が創設されました。
低未利用土地とは、空き地・空き家・管理を放棄された森林など長期間利用されていない未利用地と、資材置き場や青空駐車場など利用の頻度が低い低利用地の総称です。
近年、特に地方部において人口減少等により、低未利用の土地が増加していますが、この土地を譲渡しようとしても取引価額が低額なため、売却のための測量費等の負担が相対的に重くなることがネックとなり、取引が進まないという実態がありました。
こうした低未利用土地は、適切な利用・管理がなされないことで、治安・衛生・景観等の悪化により地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼすだけでなく、地域活力の低下、周辺地価の下落等、経済面でもマイナスの影響を及ぼすことになります。
その低未利用地の利用を促進することを目的として特別控除が創設されました。
この特別控除を受けるための要件は、
① 市区町村長の確認
低未利用土地であること及び買主に当該物件を利用する意向があることについて、市区町村長の確認がされていること
② 所有期間
譲渡する年の1月1日において、所有期間が5年を超えていること
③ 譲渡価額
譲渡価額がその上にある建物等を含めて500万円以下であること
④ 譲渡の相手方
売主の配偶者や一定の特別な関係がある者に対する譲渡でないこと
この特別控除は、令和2年7月1日から令和4年12月31日までの間に譲渡したものに適用されます。
岩内事務所 所長 税理士 高橋 徹