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なかの語録

100年企業をめざす「事業の承継」 (第14回)

【連載】事業承継入門|2013年09月01日(日)

 16.遺留分の性質と対策を教えてくださいteoria-a027.png

 info01 POINT

 1 ► 遺留分の性質を理解する
 2 ► 遺留分対策は、人それぞれ


     遺留分の性質を理解する
 
相続が発生すると、現経営者の持つ財産は、法定相続人全員の共有財産となります。法定相続人は、自分勝手に財産を処分することができなくなります。そして、遺産分割協議が必要となります。
 一般的に、中小企業の経営者が持つ財産のほとんどは、事業用資産および自社株となっています。後継者が経営に必要な財産を所有させるために、後継者に相続財産が集中し、他の法定相続人から反対される可能性があります。
 しかし、自身の意思で財産の分配を指定した遺言書があれば、遺言の内容が優先され、財産分割されます。事業用財産および、自社株式を承継できるように指定することで、後継者の経営者としての地位が安定しteoria-h012.pngます。
 ただし、法定相続人には「遺留分」という最低限相続財産を受取ることが
 できる権利を持っています。遺言の内容が、他の法定相続人の遺留分を侵害
 している場合には、多く財産を承継する後継者に対して、遺留分減殺請求を
 される可能性があります。
この「遺留分の減殺請求権」は、配偶者と子、直系尊属が有し、兄弟姉妹には権利はありません。

     遺留分対策は、人それぞれ
 
遺留分の制約に対する対策は、現経営者の資産状況や法定相続人の数、法定相続人などの生活状況などで変わります。主な対策として、次が挙げられます。teoria-h024.png

  ① 遺留分を侵害しないような財産分配で遺言書を作成する
  ② 生命保険などを活用して代償分割の準備を行う
  ③ 経営承継円滑化法を活用する
  ④ 後継者以外の法定相続人に、遺留分放棄の手続きを取ってもらう

 経営者の財産構成や、法定相続人の生活環境により対策は変わります。専門家と相談しながら対策を立てることをお勧めします。


info02 次回タイトル
  【親族への事業承継を成功させる必須条件は?】
          H25.9.15更新予定です。どうぞお楽しみに!

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