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なかの語録

100年企業をめざす「事業の承継」(第58回)

【連載】事業承継入門|2015年07月01日(水)

59.新事業承継税制はどのような制度ですか?

flair POINT

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 1 ► 税制の概要
 2 ► 非上場株式等に係る相続税の納税猶予制度
 3 ► 非上場株式等に係る贈与税の納税猶予制度
 4 ► 事業を永続させる覚悟が必要
 5 ► 民法の遺留分の特例と納税猶予制度の相違点


 ———— 税制の概要
 事業承継の時に、後継者に重くのしかかる相続税負担問題に対して、平成21年度税制改正により、非上場株式等についての相続税および贈与税の税負担を軽減する制度として創設されました。

 ———— 非上場株式等に係る相続税の納税猶予制度
 「非上場株式等に係る相続税の納税猶予制度」とは、後継者が相続や遺贈により取得した株式等に係る相続税が、納税猶予される制度です。猶予される軽減措置は、従来の10%減額から80%納税猶予へと大幅に拡充されました。

 ———— 非上場株式等に係る贈与税の納税猶予制度
 「非上場株式等に係る贈与税の納税猶予制度」とは、後継者が贈与により取得した株式等に係る、贈与税が100%猶予される制度です。


相続税・贈与税の納税猶予の組み合わせ活用

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 ———— 事業を永続させる覚悟が必要
 この制度は「納税猶予」なので、税金を払わなくていいことにはなりません。この制度を利用するにあたり注意点は、贈与税の納税猶予と相続税の納税猶予を、交代で利用しなければならないことです。例えば、
 ① 1代目の経営者が2代目経営者に経済産業大臣の認定を受け、
   一括で自社株を贈与し納税猶予を受けました。
 ② その後1代目が亡くなり、2代目は贈与された自社株を相続または
   遺贈で取得したと みなされ相続税が課税されます。
 ③ ここで2代目は、また経済産業大臣の認定を受けることができれば、
   相続税の納税猶予を受けることができます。
 これを2代目から3代目、そして4代目へと事業を継続すれば、納税猶予も継続します。

 一方で、前記事例で①の制度を利用して、自社株を贈与した後で、1代目の経営者が亡くなる前に、2代目経営者が3代目経営者に自社株を贈与してしまうと、猶予税額の期限が確定してしまいます。猶予されていた贈与税は納付しなければならなくなります。
 この制度は、事業を継続させることができれば、大きな利用価値があります。

 ———— 民法の遺留分の特例と納税猶予制度の相違点teoria-a006.gif
 経営承継円滑化法は、自社株式の承継と相続問題、相続税などの問題、事業承継に
伴う資金調達などの阻害要因を解決することが目的です。民法による遺留分の特例は、自社株式の承継と相続問題への対策となります。
 一方納税猶予制度は、自社株式を後継者が相続や遺贈、贈与などで取得した時に発生する、納税への対策となります。手続きや適用対象の企業条件も違います。


民法の留意分の特例と納税猶予制度の相違点

  手続き 適用対象企業

 
 民法による
 遺留分の特例

 ● 経済産業大臣への確認
 ● 家庭裁判所の許可
 3年以上継続して事業を
 行っている一定の中小企業

 
 納税猶予制度
 

 ● 経済産業大臣への
     確認と認定
 ● 税務署への申請
 経済産業大臣の認定を
 受けた一定の中小企業

 


info02 次回タイトル
 【非上場株式の相続税の納税猶予を、有効的に活用する方法を教えて下さい】
  H27.7.15更新予定です。 どうぞお楽しみに!

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