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なかの語録

100年企業をめざす「事業の承継」(第57回)

【連載】事業承継入門|2015年06月15日(月)

58.事業承継時の金融支援措置は、わが社でも活用できますか?

flair POINT

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 1 ► 特例の概要
 2 ► 中小企業信用保険法の特例
 3 ► 日本政策金融公庫法等の特例


 ———— 特例の概要
 中小企業の経営者に相続が発生したことにより、必要となる資金調達支援のために、経済産業大臣の認定を受けた中小企業とその代表者に対して、特例が受けられるようになりました。
金融融支援に係る大臣認定には、次が要件として挙げられます。
 ① 事業承継後に売上高が減少
 ② 相続税負担が発生している

 ———— 中小企業信用保険法の特例
【概要】
事業に必要な資金について、中小企業信用保険法に規定されている以下を別枠化します。
 ● 普通保険   (限度額2億円)
 ● 無担保保険  (同8,000万円)
 ● 特別小口保険 (同1,250万円)

これにより、信用保証協会の債務保証が実質的に、別枠化されることになります。したがって、中小企業者が当該債務保証を受けることで、金融機関からの資金調達が行いやすくなります。

【適用対象者】
認定を受けた中小企業者で、非上場会社及び個人事業主が対象となります。

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【適用を受ける対象資金】
  ● 株式や事業用資産等の買取資金
  ● 信用状態が低下している中小企業者の運転資金

 ———— 日本政策金融公庫法等の特例
【概要】
現行制度では、株式会社日本政策金融公庫と沖縄振興開発金融公庫から、代表者個人が融資を受けられませんでした。
しかし、本特例により後継者である代表者個人が、事業活動の継続に必要な、設備資金及び長期運転資金について、融資を受けることが可能になりました。
金利は、通常の金利(基準金利)ではなく、特別に低い利率が適用されます。

【適用対象者】
安定的な経営権の確保により、事業の継続を図るもので、次のいずれかに該当するものとなります。
 ① 事業継続が困難となっている企業から事業の譲渡、株式の譲渡、合併等により事業を承継する者
 ② 株式等から自己株式及び事業用資産の取得等を行う法人
 ③ 事業用資産の取得等を行う後継者(個人事業主)(事業承継後5年以内)
 ④ 法に基づく認定を受けた中小企業者の代表者

【適用を受ける対象資金】
本特例を利用することを目的として、認定を受けようとする場合には、資金使途に十分に留意が必要になります。
 ● 事業用資産担保借入金弁済資金
 ● 代償分割・弁済支払い資金
 ● 株式・事業用資産買取資金
 ● 納税資金teoria-k023.png
 ● その他特別必要な資金


info02 次回タイトル
 【新事業承継税制は、どのような制度ですか?】
  H27.7.1更新予定です。 どうぞお楽しみに!

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