中野会計事務所トップページ >> なかの語録 >> 100年企業をめざす「事業の承継」 (第23回)

なかの語録

100年企業をめざす「事業の承継」 (第23回)

【連載】事業承継入門|2014年01月15日(水)

25.M&Aで承継するときの注意点はありますか?

flair POINT

 1 ► 経営管理をしっかりと行う
 2 ► 企業風土の掌握
 3 ► 情報漏洩を防ぐ
 4 ► 売り手と買い手との間における、情報の偏り

teoria-h023.png
     経営管理をしっかりと行う
 
会社法では、決算時に決算書類を作成することが義務付けられています。しかし、中小企業の決算書類のほとんどは、金融機関や税務署に対して作成されているものがほとんどです。
 M&Aを進めるに当たり、購入先企業の経営実態を正確に把握することは必須になります。経営管理をしっかりと行い、いざそのときに不測の事態にならないようにします。

     企業風土の掌握
 
M&A先が見つかり、売却金額の条件が良くても、経営理念や企業風土が合わないこともあります。それにより、経営方針や社内体制が、劇的に変化したりする場合があります。変化をチャンスとして、飛躍する可能性もあります。
 しかし、経営理念や企業風土、従業員への待遇など、買い手と売り手双方の融合が、課題となる可能性があります。売り手の経営者が、自己の利潤だけを追求してしまうと、従業員から反感を買う場合があります。従業員や関係者への配慮は必要です。

     情報漏洩を防ぐ
 売り手の経営者が、M&Aの計画や交渉を進めていることが、社内の従業員や取引先、金融機関など関係者に意図とせず知られてしまった場合は、問題となる可能性があります。
 従業員は「解雇されるのではなteoria-c-a002.gifいか」という不安を抱き、反感や、優秀な従業員が退職してしまう可能性があります。取引先や金融機関からは「資金繰りの悪化だろうか」と憶測から、取引条件が厳しくなることも考えられます。このようなことを避けるために、買い手の企業や仲介企業と秘密保持契約を結んでください。

     売り手と買い手との間における、情報の偏り
 M&Aを進めるにあたり、売り手が保有する自社の企業情報と、買い手が入手し保有する売手企業の情報の間に偏りが起こる可能性があります。買い手が売手企業の情報を入手するにあたり、売り手に依存することがあります。
 例えば、取引先との関係や事業情報、社内の派閥の有無など、売り手が開示してくれない限り、M&Aが完了しなければ知りえない情報があります。情報に偏りがある場合に、交渉段階で信頼を損ない取引が「円滑に進まなくなる」「破綻する」などの可能性があります。
 買い手と売り手は双方信頼関係を築き、情報開示をおこなってください。


info02 次回タイトル
   【M&Aで現実的な承継方法はありますか?】
        H26.2.1 更新予定です。 どうぞお楽しみに!

  • Clip to Evernote
  • このエントリーをはてなブックマークに追加