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なかの語録

100年企業をめざす「事業の承継」 (第25回)

【連載】事業承継入門|2014年02月15日(土)

27.M&Aを実行するまでの手続き方法は?

flair POINT

 1 ► M&Aを決意したら、時間をかけて準備
 2 ► 売却先と交渉を始め、実行に移す
 3 ► ポストM&A


     M&Aを決意したら、時間をかけて準備
 
経営者にとって、人生の大半をかけて育て上げた我が企業をM&Aで売却することは、生涯何度も経験することではありません。準備段階では、基礎知識を学ぶことはもちろんですが、専門家に相談しながら、時間をかけて準備を始めます。

 ① M&A仲介機関の選定teoria-h024.png
 ②
売却条件の検討
 ③
企業価値を高める

 M&A仲介機関とは、秘密保持契約締結を結びます。
株式譲渡価格や、従業員の雇用に関する待遇、買い手企業の業種業態など実態を、明確にしてください。
 M&Aで売却を希望しても、企業価値が低く魅力がなければ「足元を見られる」「買い手候補が見つからない」という事態になります。日頃よりM&A交渉に有利になるように、少しでも企業価値を高めることが重要です。

     売却先と交渉を始め、実行に移す
 売却先の候補と、交渉を始めます。交渉中でも、業績が悪化しないようにしてください。

 ④ 売却候補の企業への打診teoria-bd001.png
 ⑤
条件交渉
 ⑥
基本合意
 ⑦
デューディリジェンス
 ⑧ 最終交渉と確認
 ⑨
売買契約(クロージング)

 買い手候補はすぐに見つからない可能性があります。候補先が決まったら、両社で秘密保持契約を交わし財務内容や事業計画、税務申告など詳しい内部資料を提示し、交渉に入ります。
 交渉では、M&Aの手法や譲渡価格の他に、従業員の雇用や役員の処遇などが話し合われます。


デューディリジェンスのポイント
 □ 回収不能債権の有無          □ 不動産の含み損
 □ 債務保証など簿外債務の有無      □ 有価証券の含み損
 □ 潜在的な租税債務の有無        □ 退職金の要支給額
 □ 会計処理の適切性           □ 労働組合の有無
 □ 事業の環境              □ 役員間の内紛
 □ 対外的トラブルの有無                など

 基本合意契約後に、買い手企業によるデューディリジェンスが開始され、様々な精査が行われます。デューディリジェンスの情報を基に、詳細な条件を含め最終交渉を行います。交渉合意後に、売買契約の締結となります。


M&Aの手続きと方法 

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     ポストM&A
 M&A実行後は、売り手と買い手が融合しながら、企業統合が円滑に進む努力が必要です。
 そのために、両社合意の上で、売り手経営者が一定の期間役員などの職に就き、従業員の対応や、取引先への引き継ぎを務めるなども検討します。


info02 次回タイトル
  【わが社でもM&Aできますか?】
     H26.3.1 更新予定です。 どうぞお楽しみに!

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