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なかの語録

100年企業をめざす「事業の承継」(第34回)

【連載】事業承継入門|2014年07月01日(火)

35.引退後の生活設計の立て方を教えてください

flair POINT

 1 ► 承継後の見守り期間を決める
 2 ► 豊かな時間を手にする
 3 ► 1人会社の設立


———— 承継後の見守り期間を決める
 事業承継とは名ばかりの、代表取締役から会長へ呼び方が変わっただけで、第一線から退かずに会長が実権を握り経営している企業が見受けられます。

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 この場合は、新経営者が会長を頼り、経営者としての判断も甘くなり、育ちません。この状況で、会長に万が一のことがあれば、未熟な経営者は対応できず、企業の業績にも悪影響を及ぼします。
 会長としての見守り期間は、新経営者や役員から切り出すことはできません。
自身で期限を決め、公表することで新経営者や役員は、必死になってノウハウを得ようと努力するでしょう。

———— 豊かな時間を手にする
 創業経営者にしても、後継ぎ経営者にしても、経営者になったからには志を持ち突き進んできたからこそ、引退したら自身の生き甲斐が無くなると不安感を持つ方もいらっしゃるようです。
 経営者の人生の一部がまさに、企業の経営計画となっているからでしょう。
 しかし、後継者にその座を承継した後には「自由な豊かな時間」「精神的豊かさ」「新しい目標を持てる豊かさ」など、新たな豊かさを手に入れることができます。

———— 1人会社の設立
teoria-g-c004.png 日本人の平均寿命は延びています。理論上では120歳までという説もあります。もし60歳で事業を譲れば、今までと同じだけの時間を、自由に使うことができるのです。
 見方を変えれば、これからの人生を楽しむための準備期間だったのかもしれません。今まで、人脈を広め、豊かな人生経験を積んできました。自身がワクワク・ドキドキするテーマもしっかりと把握しているでしょう。
まとまった資金も手にしているでしょう。
 そこで、誰に遠慮することのない、自身がワクワク・ドキドキできる1人会社の設立はいかがでしょうか。新しい人生設計が、夢と希望に満ちていれば、後継者に決めた期限までに喜んで承継したくなるでしょう。


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  【わが社の市場競争力を知る方法を教えてください】
    H26.7.15 更新予定です。 どうぞお楽しみに!

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