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なかの語録

100年企業をめざす「事業の承継」(第47回)

【連載】事業承継入門|2015年01月15日(木)

48.後継者の育成・教育は、どこで、どうすればいいのでしょうか?

flair POINT

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 1 ► 後継者に必要な能力
 2 ► 社内教育で実務経験を学ぶ
 3 ► 他社勤務での教育は人脈と経営を学ぶ
 4 ► セミナーなどで後継者仲間を作り、資質を磨く


 ———— 後継者に必要な能力
 親族承継の場合は、早い時点で後継者が決まることが多いようです。
そのため後継者の年齢が若く、経験が不足しています。しかし、その分教育する時間は、充分にあると言えます。
 円滑な事業承継のために、企業の状況に合わせて、計画的な後継者教育を行ってください。
 主に必要な能力は、次が挙げられます。

① 経営者としての能力     = マネジメント、リーダーシップ、決断力、責任感など
② 対人能力        = 人望、交渉力、人脈
③ 感性能力が高い     = 経営環境の変化対応、センス
④ 一般知識        = 経営知識、業務知識、経理知識など
⑤ 承継する企業特有の知識 = 経営理念、特有の技術や知識

 ———— 社内教育で実務経験を学ぶ
 社内の各部署で、実務経験をさせます。

① 各部門をローテーション = 経験と知識の習得と、人間関係の形成
② 責任ある地位に就任   = 経営に対する自覚をつける。リーダーシップを身につける
③ 取引先とのやり取り   = 交渉力や折衝力をつける。人間関係の形成
④ 現経営者から直接指導  = 経営ノウハウや業界事情、先代・現経営者の経営理念などを学ぶ

 ———— 他社勤務での教育は人脈と経営を学ぶ
 他社での勤務経験は、自社固有の考えにとらわれず、柔軟性のある判断が可能になります。

① 他社勤務の経験       = 新しい人脈の形成、柔軟性のある判断力を身につける
② 子会社や関連会社の経営経験 = 実践教育により責任感を植え付け、資質を磨くことができる

 ———— セミナーなどで、後継者仲間を作り、資質を磨く
 後継者育成を目的としたセミナーでは、同年代で同じように後継者として奮闘する仲間が集まっています。お互いに、次期経営者として資質を磨き、マーケティングを学び、人材育成など切磋琢磨しながら学ぶことができます。
 武道や日本伝統芸の世界では、古くから「守・破・離」という言葉があります。

☆「守」は、その道に入ったら、指導者の話を多く聞き、行動を見習い、指導者の価値観や流儀を身につけ、
  自分のものにします。
☆「破」は、「守」の次の段階です。指導者の教えを基本として、自分なりの技法や工夫を加えます。
☆「離」は、最後の段階です。指導者のもとから離れて、型や知識にとらわれずに、学んだ内容をさらに発展
  させます。

 学んだことを机上の空論にせず、自分の身になるステップです。


info02 次回タイトル
 【後継者と決まったら腹をくくって欲しい】
  H27.2.1 更新予定です。 どうぞお楽しみに!

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