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なかの語録

100年企業をめざす「事業の承継」(第61回)

【連載】事業承継入門|2015年08月15日(土)

62.相続税の納税猶予を継続させる条件は何ですか?

flair POINT

 1 ► 継続届出書が必要
 2 ► 経営報告基準日とは

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 ———— 継続届出書が必要
 事業継続期間(認定の有効期間)は、相続税申告期限から5年間です。
適用を受けるためには、まず、この期間は事業を継続させる必要があります。
さらに、この事業継続期間中は毎年1回報告基準日の翌日から3ヵ月以内に経済産業大臣に対して「事業継続の状況等についての報告書」の提出が必要です。
 この報告書では、前経営者と後継者、認定承継会社が要件に該当しているかどうかチェックされ、要件を満たせば「要件に該当する旨」の確認書が交付されます。報告基準日から5ヵ月以内に税務署に対して「継続届出書」の提出が必要となり、事業継続期間中は毎年1回、期間経過後は3年に1回となります。

その時に、経済産業大臣から交付された「要件に該当する旨」の確認書の添付が必要です。継続届出書を提出できない場合(しない場合)には、納税猶予されている相続税の全額と、利子税を納付しなければなりません。

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 この制度を利用するには、経営承継法に基づく経済産業大臣の認定を受ける必要があります。もし万が一後継者が死亡した等の場合には、猶予された相続税が免除されます。ただし5年間は、対象株式等を一部でも譲渡してしまうと、全納税額の納期が到来してしまいます。5年を経過した場合は、譲渡した株式等の割合に応じ、猶予税額の納期限が到来します。

 この相続税が免除される場合には、後継者が次の後継者に株式等を贈与して、次の後継者が納税猶予制度の適用を受ける場合も含まれます。

 ———— 経営報告基準日とは
 経営報告基準日とは、次のそれぞれに定める日を指します。
 ① 経営承継期間中(相続税の申告書の提出期限の翌日から5年を経過する日または、経営承継
   相続人などの死亡の日のいずれか早い日までの期間)
   相続税の申告書の提出期限の翌日から起算して1年を経過するごとの日
 ② 経営承継期間の末日の翌日から、納税猶予分の相続税額に相当する相続税の全部について、
   納税猶予に係る期限が確定する日までの期間
   経営承継期間の末日の翌日から3年を経過するごとの日


info02 次回タイトル
 【非上場株式の贈与税の納税猶予を、有効的に活用する方法を教えて下さい】
  H27.9.1更新予定です。 どうぞお楽しみに!

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