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所得税法における業務って?

投稿者:柏樹 正一倶知安

|2016年10月10日(月)

                           税理士 柏樹 正一のコラム(第11回)

税法は取っ付きにくい、一読難解、二読誤解、三読不可解などと良く言われます。

今回は、そのような例を紹介します。 

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所得税法では、「業務」という用語がしばしば用いられています。  

  この「業務」ですが、①「事業」と対比しての業務的規模(事業に至らない程度の規模)を示す場合と、②業務的規模と事業的規模を併せて示す場合があります。
 
   ただ、条文上は「業務」としか表現されていませんので、どちらを示すのか分かりにくいことがあります。

 例えば、「不動産所得、事業所得又は雑所得の金額の計算上、必要経費に算入すべき金額は、…これらの所得を生ずべき業務について生じた費用の額とする。」という規定があります。
 
 この場合の「業務」は、
①事業的規模の不動産所得と事業所得
②業務的規模の不動産所得と雑所得
が、同一の条文の中で規定されていますので、事業所得については事業的規模を、また、雑所得については業務的規模を意味するのに対して、不動産所得については、事業的規模と業務的規模の両方を意味するものとなっています。

 従いまして、事業所得に限れば、「事業所得を生ずべき事業について生じた費用」と解釈することになります。

 何だか禅問答のような内容になってしまいましたが、次回は、不動産所得における事業的規模と業務的規模の別による、所得金額の取扱いの違いを紹介します。

                          札幌事務所 副所長 税理士 柏樹 正一

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