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使用人に対する給与、退職金

投稿者:林 俊一札幌

|2016年11月28日(月)

                            税理士 林 俊一のコラム(第44回)

 法人が使用人に対して支給する給与や退職金は、雇用契約に基づく労働の対価であり、原則としてその全額が損金の額に算入されます。

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 しかし、使用人のうちその役員の親族等特殊関係にある使用人(「特殊関係使用人」といいます。)に支給した給与や退職金で不相当に高額な部分は損金の額に算入されません。

 ここでいう「特殊関係使用人」とは、役員の親族や役員と内縁関係にある者など次の①から④までの使用人をいいます。

① 役員の親族(配偶者、6親等内の血族、3親等内の姻族)
② 役員と事実上婚姻関係と同様の関係にある者
③ ①及び②以外の者で役員から生計の支援を受けている者
④ ②及び③の者と生計を一にするこれらの者の親族

また、「不相当に高額」かどうかの判定基準は次のとおりです。
[給与の判定基準]
 その使用人の職務内容
 その法人の収益及び他の使用人に対する給与の支給状況
 その法人と同種の事業を営む法人でその事業規模が類似するものの使用人に対する給与の支給状況
[退職金の判定基準]
 その使用人の業務に従事した期間
 その使用人の退職の事情
 その法人と同種の事業を営む法人でその事業規模が類似するものの使用人に対する退職給与の 支給状況

 この制度の創設趣旨は、企業経営者が使用人である配偶者や子供に多額の給与や退職金を支払うことによって、法人税の負担の軽減を図るといった問題に対処すべきであるという意見を踏まえて設けられました。

                            札幌事務所 所長 税理士 林 俊一

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