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なかの語録

「うさ子と学ぶ 相続の基本」出版インタビュー

【連載】事業承継入門|2011年12月01日(木)

Q:今回の書籍のテーマは「相続」ですが、
  中野先生が思う「相続」とはどういうものですか?

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生物としての人間は食物連鎖の頂点に位置し、世界を支配する力をもっています。しかし人間の寿命は90~100年程度でその生涯を終えます。これが生物として避けられない現実です。

全ての人間は必ず死を迎えますが、法的には人の死を「相続の発生」と呼んでいます。死亡した人のことを被相続人(故人)といい、その配偶者と子供など、一定の血縁者を相続人といいます。相続が発生すると、故人の全ての財産(権利)と債務(義務)を相続人が相続します。

この相続財産(遺産)の配分(遺産分割協議)を巡って骨肉の争いが起きる場合が多く、その予防のために遺言書やエンディングノートの活用をお勧めしています。


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相続は、高齢化・病気・認知症・介護の先にあるもので、人間の生涯における歴史の終わり、ご臨終の時です。そして、人生最後の究極の「縁つなぎ」だと私は考えます。生者必滅、生ある者は何時か必ず天国に召される時がきます。かけがえのない家族の幸せを願い、後顧の憂いなく旅立ちたいものです。

子孫に美田を残さず、自分のために財産を使い切る人
家族のために財産を残す人
多額の借金だけを残す人

人生はいろいろですが、いずれも故人の生きた証です。

相続の手続きは複雑です。相続とは何か、どう対応すればよいのか。法的な知識が必要で、知らないために損をする場合があります。法律は「弱者の味方」ではなく、「法律を知る者の味方」なのです。もめないために、不利にならないために、専門家に相談しましょう。

 

Q:相続に関係する話題は今テレビ等で取りあげられることも多く、
  多くの人が関心のある話題だと思いますが、
  「うさ子と学ぶ 相続の基本」はどんな人に読んでほしいですか?


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お嫁さんの場合は一生に5回相続を経験することもありますが、
殆どの人は複雑な相続手続について学習していないようです。

相続の手続きや遺産の分割・相続税のことなど
知らないことによる不利益を避け、安心して相続を迎えてほしいと考え
この本は世界一やさしく判りやすい解説をめざしました。

この本は、相続初心者の方にこそ是非読んで欲しいと思います。
相続税の節税対策を知りたい人には、
わかりやすい事例と計算式によって、対策の極意を紹介してあります。
判らないところは遠慮なくお問い合わせください。

 

Q:所々にやわらかいタッチのうさぎのイラストが登場するので、相続という一見
  難しそうな話題を、若い人や相続の知識がない人にも読みやすい印象を受けます。
  イラストはお孫さんが描かれたと伺いましたが?

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人は人を好きになり、婚姻で夫婦となり子を授かります。また、親から子に・子から孫に血縁によって過去・現在・未来に無限につながっています。このかけがえのない家族は、本来やさしく幸せな人間関係であって欲しいものです。

そこでこの本は「優しさと愛おしさ」を感じ取って欲しいとの願いから、可愛い「うさぎ」のイラストを挿入しました。海外留学中の孫の一葉(かずは)は絵が好きなのでイラスト作成を頼みました。
「おじいちゃんの今度の本はイラストを入れるの!?
 うわ~描きた~い」
「ニューヨークの書店に並ぶのかな」
などと喜んで引き受けてくれました。

夏休みの後は時間の関係で、娘の靖子(せいこ)が後半を代筆しました。イラストの出来映えはともかく三世代の合作で相続の本ができあがり、感慨無量です。


Q:中野先生は税理士として相続に立ち会う機会が多いと思いますが、
  自分が元気なうちから準備しておかなければいけない事がありましたら、
  教えて下さい。

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「うさ子と学ぶ相続の基本」を読んでいただくと、生前に準備することで生涯に一度の相続について「安心・有利な」相続対策が出来ることがわかります。

【1】「こころの対策」としては、
エンディングノートと遺言書を書く・遺言執行者を決めておく など

【2】「お金の対策」としては
連年贈与・相続時精算課税制度・住宅取得資金の贈与・孫への贈与・不動産の色分け・生命保険の活用・養子縁組・二次相続のシミュレーシヨン など

【3】「事業経営者の対策」としては
事業の承継について方針を決め、時間を掛けて実行する。
自社株の移転など、後継者に経営支配権を移転する。

などがあります。

自分の相続について考えることは、「自分の生涯の最後を飾る美学である」と思います。かけがえのない家族に苦労をかけないためにも、元気なうちから準備をする事が大切です。

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