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課税事業者になる場合の棚卸資産の調整

投稿者:林 俊一札幌

|2022年07月13日(水)

税理士 林 俊一のコラム(第113回)

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 消費税の免税事業者が課税事業者となる場合に、課税事業者となる日の前日において所有する棚卸資産のうちに、納税義務が免除されていた期間において仕入れた棚卸資産がある場合には、その棚卸資産に係る消費税額を課税事業者になった課税期間の仕入に係る消費税額の計算の基礎となる課税仕入れ等の税額とみなして仕入税額控除の対象とすることができます。

 この、みなし規定の理由としては、免税事業者であった期間の在庫を販売した際に仮受消費税が発生するにも係わらず、これに対応する支払った消費税が控除できないこととなると、事業者に不利益となりますので、税額控除を認めることとしたと考えられます。

 対象となる棚卸資産は、商品、製品、半製品、仕掛品、原材料、貯蔵品中の消耗品等で現に所有しているものです。

 この適用を受けるためには、その対象となる棚卸資産の明細を記載した書類を保存しておくことが必要となります。

 なお、これとは逆に課税事業者が免税事業者となった場合には、課税事業者であった課税期間の末日において所有する棚卸資産のうちその課税期間中に仕入れた棚卸資産に係る消費税額は、その課税期間の仕入に係る消費税額の計算の基礎となる課税仕入れ等の税額に含まれないこととなります。
 

札幌事務所 所長 税理士 林 俊一

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